面接で前職や元上司の悪口を言ってはいけない理由

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就職の面接で「今の(または以前の)上司の一番嫌いなところは?」と聞かれたら、どう答えるべきだろう? 上司がどれほど嫌いかを正直に話すだろうか?

面接官は、上司や会社の嫌なところをわざと尋ねることがある。だが油断は禁物。これはあなたが上司の悪口を言うかどうかを見るためのひっかけ問題だ。

こうした質問への答え方は難しい。特に、環境の悪い職場を辞めようとしていたり、本当にひどい上司の下で働いていたりする場合は、なおさらだ。感情に任せて愚痴りたい気になるかもしれないが、就職面接はそのための時や場所でではない。その怒りは、親友と内緒話をするときにとっておこう。

前職で嫌だったことを3つ挙げるよう面接官に言われたとしよう。あなたはこう言いたくなるかもしれない。「上司は嫌な奴で、私のキャリアアップを全く支援してくれなかった。業務は単調でつまらなかった。給料が低過ぎた上、昇給の可能性もなかった……」

しかしこれを声に出してはいけない。この回答を肯定的なコメントに変えて、次のように答えよう。「私は、キャリアアップを支えてくれ、スキルを向上できて挑戦しがいのある仕事を任せてくれる上司の下で、成果次第で昇給も望めるような仕事をしたいと考えています」

面接官があなたの現上司、または元上司の知り合いでないとは限らない。思うままに愚痴を言ってしまった場合、もしかしたら面接官の親友や家族の悪口を言っていることもあるかもしれない。誰が誰と知り合いかなど、あなたには知る由もないのだ。

もし面接官から執拗に仕事や上司や会社の嫌な面について述べるように言われ、気まずく感じるなら、単にこう答えてみよう。「嫌な面には集中しないようにしています。完璧な仕事や上司など存在しないからです。どんな状況も、学びの機会だと捉える方がいいと思っています」

どうしても面接先で働きたく、また今の上司に対する鬱憤(うっぷん)が溜まっている場合、思わず愚痴を言ってしまいたくなるだろう。しかし、否定的なコメントは面接官にとって魅力はない。なぜなら面接官は、あなたがいつか自分や自社のことも悪く言うのではないかと考えてしまうからだ。

ひっかけ問題の罠にはまらないよう、常に高い誠実さを保ち、前職や元上司の悪口を言わないこと。代わりに、新たな仕事に望む肯定的な面に注目するよう心がけよう。

編集=遠藤宗生

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