マスクのツイートによると、地下空間を高速で移動するハイパーループは、フィラデルフィアやボルチモア等の都市にも駅を設置するという。この交通システムはボーリングカンパニー(The Boring Company)によって建設され、各駅には十数箇所の地上への出入り口やエレベーターが設置されるという。
しかし、この構想はこれまでマスクが提示してきたアイデアとは少々異なる。
今年5月のTEDカンファレンスでマスクは、ボーリングカンパニーのコンセプトを「地下空間にトンネルを建設して各都市を結び、トンネルの内部をカートに格納された自動車が時速200キロに達するスピードで移動する」という内容のデモ動画を公開していた。
また、2012年にマスクが発表したハイパーループ計画は、地上に建設された細いチューブの中を、乗客を乗せたポッドが時速1200kmで進むというコンセプトだった。ハイパーループのコンセプトは既に、ロサンゼルス本拠のハイパーループ・ワンによってネバダ州でテストが重ねられている。
さらに、今回のマスクはツイートで「口頭での承認(verbal approval)」を受けたと述べているものの、これが具体的に何を意味するのかは不明だ。ニューヨークとワシントンDCを結ぶとなれば、当局からの許可や規制の問題など非常に煩雑な問題に直面することは容易に想像がつく。
また、マスクはツイートで、トンネルの導入で最優先するのはLAの交通渋滞の解決であり、ニューヨークとDCをつなぐプロジェクトも並行して進めていくと述べた。さらに、その先にはLAとサンフランシスコを結ぶ計画やTX loopと呼ばれる構想もあるという。
マスクが運営するテスラは7月28日に、新型モデルModel 3の納車を開始する。最初の30台がカリフォルニア州フリーモントの工場で、顧客らに手渡される。