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2017.07.23

ストリーミング「パンドラ」 アーティスト支援事業で好調の兆し

AS photo studio / shutterstock

経営難に陥っていると伝えられるストリーミングサービスのパンドラだが、アーティスト支援プラットフォームのArtist Marketing Platform(AMP)が好調だ。AMPはパンドラに楽曲を提供しているアーティスト向けにメタデータを提供するサービスで、リスナーの特徴やチャートの順位などの情報が入手でき、広告を打つべき場所やツアー先を決めるにあたり有用だ。

パンドラはこのようなサービスの提供元としてはパイオニア的存在で、発表当初はおまけのように見えたサービスが、今となっては成功していると言っていいだろう。

AMPの導入から約1年半後、パンドラはAMPcastを始動させた。AMPcastはアーティスト自身が広告を録音し、予算に応じて広告を打てる仕組みだ。資金の少ないアーティストでも適切な規模の出稿が可能で、AMPの利用を拡大させる結果を生んだ。

7月18日、AMPを通じた広告のインプレッション数が10億を超えたとパンドラが発表した。広告が10億回再生されたということは、パンドラのアクティブユーザー数が9000万人弱なので、1人が少なくとも数回以上、広告を聞いていることになる。アーティスト自身が録音した広告なので、不快に思うユーザーも少ないと思われる。

パンドラはさらに新曲をプロモートする「Promote Single」やライブのチケット販売を推進する「Promote Show」などの新機能も発表した。前者では事前に録音されたメッセージを特定の楽曲に合わせて再生し、楽曲の重要性などをリスナーに伝えることが出来る。後者ではライブをプロモートするメッセージを録音する際に開催地に応じてチケット購入サイトへのリンクやメッセージをカスタマイズすることもできる。

パンドラによるとAMPを利用しているアーティストの数は1万1000人で、これまで1万4000件のメッセージが録音・配信されているという。AMPの広告プログラムが売上にどれだけ寄与しているかは発表されていないが、今後もAMPの成長は続くものと見られる。

編集=上田裕資

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