筆者は自然食品を中心とした菜食が最も健康的な食習慣の一つだと考えている。こうした食品は「ホールフード」と呼ばれ、ポテトチップスやフルーツジュースが加工食品であるのに対し、果物や野菜、木の実や豆などの自然の姿に近い食品を指す。
低脂質で野菜中心の食事を続ければ、減量や血中コレステロールの低下、糖尿病の改善などの効果が期待できる。
糖尿病患者に対し、米国栄養学協会(American Academy of Nutrition and Dietetics)や米国糖尿病学会(ADA)は、計画的な菜食を推奨している。また、高血圧や心臓病などの慢性病に苦しむ人にも、菜食が有効だとされている。
野菜や果物には、老化やがんを抑制する抗酸化物質が含まれており、腸内環境の正常化や長寿といった効果も見込める。
筆者の患者の中にも、肉や加工度の高い食品が中心の食生活から、菜食に変えた人が数人いるが、結果は驚くべきものだった。菜食に変えた人々は血糖値が短期間で大きく低下した。また、「あまり空腹を感じない」「元気になった」「頭がすっきりした」といった声も寄せられている。