目の肥えたインテリア通が「バクスター」を選ぶ理由

美しい色合わせを楽しむソファ「BARDOT」。

家具の世界でも“Made in Italy”には高品質というイメージがある。この付加価値は、生活水準の高まった東アジア圏で特に効果がある。ミラノ郊外の見本市会場で開催される「サローネ・デル・モービレ」には、数多くの家具ブランドが出展しているが、その多くがイタリアブランドだ。

「バクスターの主要マーケットはヨーロッパで、売り上げの60%を占めますが、東アジアのマーケットも急速に伸びています。経済発展を遂げているだけでなく、“本物の家具”を知りたいという気持ちが育っているからでしょう。家具マーケットが成熟していくにしたがって、素材の品質や個性へと目が向くようになっているのです」と語るのは、バクスターのCEOパオロ・ベステッティ。


人気の高い「PANAMA BOLD」は、アウトドア仕様が新たに加わった。

高級レザー家具のスペシャリストであるバクスターの歴史は意外と短く、創業は1989年である。しかし、レザーへの愛情は誰にも負けていない。

「我々の強みは素材。レザーの品質です。厳選された産地の牡牛の革のみを使用し、専門職人が革の個性を見極めて仕上げていく。バクスターの家具デザインは普遍的ですが、それは最高品質のレザーの実力を引き出すためなのです」


優雅な日光浴を楽しめる「RIMINI」。

ふんだんにレザーを使っているのに、重厚長大な印象ではなく、あたりの柔らかな家具たちが多いと感じるのは、マットでソフトな質感に仕上げているから。ニュアンスカラーや落ち着いたトーンの色をミックスすることで悪目立ちさせず、他の家具とのバランスもよい。

さらには耐水性のある特殊なレザー生地を開発し、屋内はもちろん屋外でも使用できるレザー家具もリリース。しかも天然素材や金属素材は経年変化をするのが当然であると考え、銅やラタンと組み合わせることで、時間ともに変化していく様子を楽しめるようにした。


銅製 のべースに籐製のフレームを組み合わせ、レザー 製のコードで座面や背もたれを編んだアウトドア椅 子「MANILA」。

家具はどうしてもデザインに目がいきがちだが、体に触れている時間が長いのだから、徹底的に素材にこだわるという考えは正しい。目の肥えたインテリア愛好家がバクスターに惹かれるのは当然なのである。

edit&text by Tetsuo Shinoda

この記事は 「Forbes JAPAN No.36 2017年7月号(2017/05/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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