テスラ、21世紀フォックスCEOらを新取締役に任命

リンダ・ジョンソン・ライス(Photo by Leon Bennett / getyyimages)

テスラは取締役会に新たに2名を迎え入れた。出版社のジョンソン・パブリッシング(JPC)のトップを務めるリンダ・ジョンソン・ライスと21世紀フォックスCEOのジェームズ・マードックらが役員に加わる。

テスラにはここ一年、役員会メンバーの多様性を欠いているとの批判を受けており、著名な黒人女性エグゼクティブであるジョンソン・ライスらの起用には、その批判を交わす狙いもありそうだ。

ジョンソン・ライスが運営する出版社JPCは、アフリカ系アメリカ人向けの雑誌「エボニー」の発行元。1945年創刊のエボニーは表紙に毎号、著名な黒人政治家やセレブリティを起用し、かつてはバラク・オバマ元米国大統領も登場した。ジョンソン・ライスは国立アフリカン・アメリカン歴史文化博物館のボードメンバーも務めている。

今回の2名の新取締役の任命は、株主らからの要請を受けてのものだ。2016年6月に当時、20万株のテスラ株を保有していたCtW Investment Group はロイターの取材で「テスラの役員会は多様性を欠いており、改善が必要だ」と述べていた。報道によるとCtWは労働組合系の年金基金の運用を手がけているという。

その後、今年の4月12日になって、イーロン・マスクはCtW側に反論するツイートを掲載。「この投資集団はフォードの株を買うべきだ。フォードの社内統治は素晴らしい」と、2016年6月28日のロイターの記事のリンクを添えて投稿していた。

役員会にジェームズ・マードックを迎えることにより、テスラは巨大メディア帝国である21世紀フォックスとのつながりを持つことになる。ジェームズの父親はルパート・マードックだ。

テスラは7月30日に価格3万5000ドルの新型車両「Model 3」の納車を開始する。また、8月2日には今年第二四半期の決算発表を控えている。

編集=上田裕資

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