大統領であることがトランプの事業に利益をもたらしている可能性があることは批判を集めており、トランプを提訴した市民団体「ワシントンの責任と倫理を求める市民」は、「自身が経営するホテルでの宿泊の受け入れやイベントの開催、所有する物件の賃貸、外国での高額な不動産取引などで、外国政府から厚遇を受け、現金を受け取っている」と指摘している。
手にしている権力と資金力から見れば、二人がまるで「宇宙の支配者」のように振る舞うという共通の特徴を持っていても、不思議ではない。だが、「何だと?」と常に人を見下すような二人の態度について行かれる人は、ほとんどいない。こうした態度は他の誰でもない、彼ら自身の力を弱めていくものだ。
「発言で波紋」も同じ
バクルはアメリカン航空の客室乗務員に対する分別のない性差別的、年齢差別的、侮辱的な発言で批判を受けるわずか数週間前に、アメリカン航空の株式取得を目指す考えを明らかにしていた。
このこともまた、トランプの言動を思い起こさせる。トランプに最近できた「親友」のサウジアラビアをはじめとするペルシャ湾岸諸国が6月、カタールとの国交を断絶。国境(陸路・海路・空路の全て)を封鎖したことについて、トランプは各国を支持する考えを表明した。
だが、カタールには米軍基地があり、約1万1000人の兵士が駐留している。それにもかかわらず、トランプはサウジアラビアから聞いたとおりの「カタールがテロの脅威だ」などという言葉を吐いたのだ。
抑制を欠いた大統領の言葉を打ち消すための努力は、今も続けられている。レックス・ティラーソン米国務長官は中東を訪問。問題の解決に道筋を付けようと協議を行った。
トランプとバクルの母親たちは、口を開いて愚か者であることを露呈するよりも、何も言わず愚か者だと思われていた方が良い場合もあるのだということを教えなかったのだろうか。次に民間機を利用するときは、米国の航空会社を利用するべきだ。「おばあさん」から、行儀について教えてもらったほうがいい。