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2017.07.13

コカ・コーラ、スタートアップ支援で競争力を強化

Katherine Welles / Shutterstock.com

新たなテクノロジーは、消費財メーカーにさまざまな影響を及ぼしている。その中でも、利便性の向上やパーソナライゼーションによる消費者の顧客体験の向上、生産や従業員の研修プロセスの効率化など、テクノロジーはビジネスのあらゆる側面に貢献している。

米飲料大手コカ・コーラは約3年前から、競合他社に先駆けて新技術を導入するための独自の「ブリッジ」プログラムを実施している。

テクノロジー分野の起業家たちと世界中の市場との「橋渡し(ブリッジ)」役を担うことで、同時にコカ・コーラの戦略において有用と考えらえる新技術を開発するスタートアップ企業を特定し、いずれ提携相手となり得るものを探すことが主な目的だ。

また、コカ・コーラはこのプログラムを通じて、それらの企業が投資家や消費者とつながるためのプラットフォームを提供する。過去に同プログラムを通じて資金調達を行ったスタートアップの中には、その後スナップに買収されたものもある。

現在このプログラムに参加しているスタートアップが関与している分野には、企業向けの意見調査、VR(バーチャル・リアリティー)コンテンツのマネジメントシステム、中小企業向けマーケティング・ソリューションなどがある。

コカ・コーラの戦略において、イノベーションは重要な位置付けにある。消費者がより健康的な飲料を好むようになり、飲料業界全体も変化を続ける中で成長を維持するためには、最新のテクノロジーへの投資を行うことで、競争力を強化する必要がある。

コカ・コーラは同プログラムを通じて、スタートアップ各社が開発を進めてきたテクノロジーやプロセスを採用することが可能となるため、自社に有益と判断したテクノロジーを、時間をかけずにすぐに導入することができる。プログラムに参加する各社は主に、すでに開発の後期段階にあり、商品化を目前に控えたものとなっている。

スタートアップ企業の育成プログラムを設けている企業は他にもあるが、コカ・コーラのブリッジ・プログラムの目的は、いずれ提携企業となり得るパートナーを見つけることにある。

編集=木内涼子

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