シンガポールの自動運転企業nuTonomyが語る「ローカライズ」という課題

nuTonomyのCEO、Iagnemmaと「ドライバー無しで移動できる車」(Photo by Boston Globe / gettyimages)


──ディープラーニング技術の向上が世界の市場を抑える手段だとは思いませんか?

実情はその正反対だと考えている。ディープラーニングが適用可能なのは、ドライバーのマナーが一定レベルに達している環境のみだ。米国の優良ドライバーを前提としたテクノロジーは、シンガポールでは受け入れられない。

ディープラーニング技術を異なった環境に適用するにおいての課題は、関係者が予測するよりもはるかに大きいと見ている。プログラム開発を一からやり直さねばならないほどの困難が待ち構えている。スケーラビリティの観点から見て、ディープラーニングは最良の手段とは言えない。

──中国のバイドゥは「オープンソース化」というアプローチをとろうとしています。これについての考えは?

企業が連合したからといって大きな成果を産めるとは限らない。また、オープンソース化で様々な企業が参入しても、それぞれの市場に合致した信頼性を担保することにはならないと見ている。

──自動運転分野ではセンサー技術等で様々なテクノロジー企業が浮上しています。現状をどのように捉えていますか?

当社はまずシンガポール市場で、この国の環境にマッチした技術を様々な企業との提携で実現していく。しかし、本格運用の開始までには乗り越えなければならない課題も多い。

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事