人気上昇の「セルフィー動画」、コミュニケーションを破壊するか

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パーソナライゼーションは、トレンドではない。今後も消費者が求めるものとして、存在し続けるものだ。スニーカーでも自動車のラッピングでもネイルシールでも、消費者はさまざまなものを自分の好みに変えることができる。

ここ10年ほどの間に、私たちが消費するコンテンツも徐々に変化してきた。コンテンツは従来、制作者が視聴者に何かを伝えるという形の下に成り立ってきた。だが、観衆はもはや単純に「見る側」にいるわけではない。消費者にとって、それでは十分ではなかったのだ。

インスタグラムやスナップチャットのようなパブリッシングプラットフォームが数多く登場してきたのはそのためだ。消費者はこれらによって、コンテンツの「オーディエンス(観衆)」から「キュレーター」へと変化した。

機能が大幅に向上した携帯電話のカメラを使って、消費者たちも作る側に加わりたいと考えている──リアルタイムで、それぞれの独自の方法で。消費者たちはこれまでの枠組みを超えて、日々のコミュニケーションにもこれまでのテキストメールではなく、自ら作成した興味深いコンテンツを使うようになっていく可能性がある。

キュレーターは「クリエイター」へ

どこかで何かが起きるその瞬間に、その事柄について他の人たちとやり取りをしたいと考える人は増加している。その願望を満たすアプリの一つが、Kombie(コンビー)と名付けられた新しいアプリだ。

ユーザーはボタンを押すだけで、見ている動画の中に入り込むことができる。ビヨンセのビデオでも、大好きな映画の1シーンでも、友人がユーチューブに投稿した動画でも、その中に自分を写り込ませ、作った動画を他の人たちと共有することができる。インタラクティブなセルフィー動画作成アプリだ。

特にZ世代の若者たちは、ただ単にフィルタを追加したいだけではなく、リップシンク動画を公開したいだけでもない。もっと積極的にアクションを起こし、注目を集め、自分たちが作ったものを共有したいのだ。
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編集=木内涼子

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