ミラノサローネで見つけた知っておくべき5つのトピックス

FLOSの「GAKU」は額の中にブックエンドなどの小物を加えて楽しむ仕組み。


4. 企業×デザインの最先端

ミラノサローネは単なる新作発表の場だけではない。実は自動車や家電、あるいは時計など、インテリアとはさほど縁がないメーカーも、こぞって参加しているのだ。その目的の一つが、デザインや芸術への理解を深めるためのメセナ活動。有名企業の知られざる一面を見ることができるので、実はミラノサローネを訪れる人々にとっても、人気の高いイベントとなっている。

PANERAI/時間を可視化させる

イタリア発祥の時計ブランド「パネライ」と、日本のデザインオフィス「ネンド」によるインスタレーション。



時間を“mm”に変換し、様々な厚みの時計の型をスライス。そこにクオーツムーブメントを収める。ここには“自分だけの時間を所有する”という壮大なテーマが込められている。

LEXUS/テーマは二律双生

ミラノサローネに参加を始めてから、今年で10回目。相反するものを調和させ新しい価値や感動を生み出す“YET(二律双生)”がテーマ。さらに過去9回の出展を振り返るインスタレーションも開催された。



5. 仕事空間も美しく

仕事の効率性を高めるためには、まずは仕事環境を整える必要がある。それは世界共通の認識であり、機能的で美しいオフィス家具への需要が増している。同時開催されていたオフィスに特化したイベント「サローネウフィーチョ」や家具メーカーのブースには、仕事が快適に進みそうなオフィス対応家具が充実。住の次は“職”にもこだわる時代になりつつあるようだ。

ARPER/新進気鋭の注目ブランド

1989年に創立したアルペールは、通常の家具もオフィス家具も両方得意とする稀有なブランドだ。カラーリングとフォルムを駆使して、明るいオフィスをデザインする。



MOLTENI&C/小さいけどリッチなSOHO

収納家具で有名なモルテーニから登場したのは、美しいライティングデスク「SECRETELLO」。巨匠ミケーレ・デ・ルッキのデザインで、オークの無垢材と強化ガラスで構成された美しいフォルムとコンパクトな機能性を両立。ちょっとした書き物や調べものをする際の作業机として使える。合わせている椅子は、トビア・スカルパがデザインした「MISS」である。

edit&text by Tetsuo Shinoda

この記事は 「Forbes JAPAN No.36 2017年7月号(2017/05/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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