WeWorkの企業価値が「2.3兆円」に 新規860億円調達でアジア展開加速

ミゲル・マケルとヴィアダム・ニューマン(Photo by Scott Legato / gettyimages)

コワーキングスペース事業のWeWork(ウィーワーク)が7億6000万ドル(約860億円)のシリーズG資金調達を行ったことが関係筋の話から分かった。今回の調達に際し、WeWorkの企業価値は200億ドル(約2.3兆円)と算定された。

WeWorkの企業価値は今や、ボストンプロパティーズ(182億5000万ドル)やVornado Realty(177億ドル)らのオフィスREIT分野のトップ企業を上回ることになった。

6月30日提出の公的書類によると、WeWorkは一株57.9ドルで新規に1320万ドル分の株式を発行した。WeWorkには2017年3月にソフトバンクが3億ドル(約340億円)を出資していた。フォーブスは今回の出資元や直近の企業価値についてWeWorkにコメントを求めたが、回答は得られていない。

WeWorkは2010年にアダム・ニューマンとミゲル・マケルヴィらが創業。初年度に1000名の会員と2ヶ所のコワーキングスペースから始動した同社は現在、世界156ヶ所で12万名の顧客を集めている。

ニューヨークで始まったWeWorkは野心的な海外展開を進め、今では15カ国の49都市に拠点を広げている。2017年に入り、北京やブエノスアイレス、パリやサンパウロにも新たな拠点を設けた。また、年内にインドのムンバイやコロンビアのボゴタ、オーストラリアのメルボルンにも進出する。

当初は小規模なスタートアップやフリーランス向けに始動したWeWorkは、企業向け市場への進出を進め、GMやIBM、スポティファイやセールスフォース等の大企業にもオフィスレンタルを行っている。

今回の調達資金はさらなる市場拡大に用いられると見られる。WeWorkは2018年末までに東京都内の10-20ヶ所に企業向けコワーキングスペースを開設すると7月10日、ブルームバーグが伝えた。今後はアジア圏での拡大をさらに加速すると見られる。

編集=上田裕資

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