7月7日、サムスンは2017年4-6月期(第2四半期)の暫定決算を発表。営業利益は前年同期比72%増の14兆ウォン(約1兆3700億円)に上る見通し。一方、アップルが来月発表する4-6月期決算の営業利益は106億ドル(約1兆2000億円)と見込まれており、サムスンの営業利益はアップルを約1700億円上回ることになる。
サムスンの業績好調の主要因は半導体事業で、同社の営業利益の6割を稼ぎ出したと見られている。また、新モデルGalaxy S8の成功も一定の寄与を果たしたようだ。
このニュースを聞いた一部のアップルファンの間からは「年内に発売されるiPhone 8で、再びアップルが反撃に出るはずだ」との見方も浮上している。
しかし、仮にiPhone 8が好調なセールスを記録した場合、それはサムスンの営業利益をさらに増大させる結果につながる。何故ならiPhone 8に搭載されるOLEDパネルはサムスンの製品だからだ。iPhone 8が売れれば売れるほど、それはサムスンの利益を増やすことにつながる。
アップル側としてはもちろん、スマホ事業で競合するサムスンを利する結果を招きたくはない。しかし、OLEDディスプレイの製造分野では事実上、サムスンの一強状態にあり、アップルはサムスンに頼らざるを得ないのが現実なのだ。
OLEDディスプレイの製造分野でサムスンに対抗しうる唯一のメーカーは、サムスンと同じ韓国企業のLGだ。テック業界の一部からは「アップルがLGとパートナーシップを結び、iPhone向けのOLEDディスプレイを製造させようとしている」との噂が盛んに浮上している。
しかし、筆者が信頼を置く情報筋からの話では、LGに対してはグーグルからも新型スマホ向けのOLEDパネル製造のオファーが来ているという。消費者が好む好まざるに関わらず、スマホ業界の未来はサムスン、LGという韓国企業のテクノロジーに委ねられているのが現実なのだ。