音楽ストリーミング分野は成長が続いている。米国の調査会社ニールセンの直近のデータによると、2017年上半期のストリーミングの売上は1840億ドル(約20兆円)に達し、前年同期比で62.4%増の記録となっている。動画ストリーミングと併せると、合計では2840億ドルの売上を2017年に生み出しており、前年同期比で36.4%の増加となっている。
ストリーミング分野の伸びは、落ち込みが続く物理的(CD等)フォーマットやダウンロード売上の減少を補い、全体ではさらなる売上増を達成している。音楽市場全体で見ると、前年度から8.9%の売上増となった。物理的フォーマットの売上は17%減で、ダウンロード売上は19.9%減だった。
ニールセンの音楽部門のSVPを務めるDavid Bakulaは「2017年上半期の業績は目覚ましいものがある。ストリーミングはかつてない規模で、消費者の支持を獲得している」と述べた。
ストリーミング分野で「次のザ・ウィークエンド」と期待されるのが、ラッパーのケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)だ。ニューアルバムの「DAMN」は4月中旬にリリースされ、ストリーミングの合計値で177万ユニットのセールスを記録した。
また、フォーブスのセレブリティ100(最も稼いだセレブランキング)で71位に登場し、1年で3700万ドルを稼いだエド・シーランも、最新アルバムの売上がストリーミングと合計で174万ユニットを記録している。3月に発売されたドレイクの「More Life」も、合計で169万ユニットを記録している。
しかし、年間9400万ドルを稼ぎ出し、セレブリティ100の4位となったドレイクも、収入の大半はツアーから得ているのが現実だ。ザ・ウィークエンドはフォーブスの取材で次のように述べた。
「アーティストの主な収入源は、音楽業界の黄金期と比べるとかなり違ったものになっている。ステージこそがお金を生み出すものになっているのだ」