今回のサミットでは、ドナルド・トランプ米大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が初めて顔を合わせることにも注目が集まっている。両首脳はこれまで互いを称賛し合っており、初会談が建設的なものになることを期待する向きもある。だが、ウクライナへの介入を理由に各国がロシアに科している制裁やシリア内戦についてなど、国際的な政治問題に対する米露の立場には、依然として大きな隔たりがある。
参加国全体を見ても、結束に乱れがあることは明らかだ。トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領はサミット開催期間中にドイツのトルコ系住民を前に演説を行いたい考えを示したものの、アンゲラ・メルケル独首相はこれを拒否。同大統領は怒りをあらわにした。英国の欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)決定による各国の足並みの乱れもある。
ただ、そうした中でもメルケル首相の支持率はここ数か月にわたり回復を続けている。また、米調査機関ピュー・リサーチ・センターが行った調査の結果によると、G20参加国の大半は、トランプ大統領よりもメルケル首相のリーダーシップにはるかに厚い信頼を寄せている。
例えばフランスでは、国際的な問題への対応について、「メルケル首相を支持する」人が回答者の79%に上ったのに対し、トランプ大統領に対して同じ考えを持つ人は、わずか14%だった。その他の参加国を見ても、ロシアとインドを除く全ての国で同様の傾向が見られた(中国とサウジアラビア、EUは調査対象外)。
G20参加国中10か国で、国際問題についてトランプ大統領(左)とメルケル首相(右)が適切な対応を取っていると考える人たちの割合は、以下のとおりとなっている。
・ドイツ ─ 11%/ 81%
・フランス ─ 14%/ 79%
・韓国 ─ 17%/ 74%
・オーストラリア ─ 29%/ 70%
・英国 ─ 22%/ 68%
・日本 ─ 24%/ 67%
・カナダ ─ 22%/ 66%
・米国 ─ 46%/ 56%
・ロシア ─ 53%/ 31%
・インド ─ 40%/ 23%