この発表は7月5日、北京で開催されたバイドゥ主催のAI開発者会議「Baidu Create」の場で行われた。アポロに参加する海外企業はドイツの自動車部品メーカーのボッシュやコンチネンタル、ZFら。また、半導体メーカーのエヌビディア(Nvidia)やLiDARメーカーのベロダイン(Velodyne)も参加し自動運転における頭脳や視覚的役割を提供する。
中国からはチェリー自動車(奇瑞汽車)やFAW Group(第一汽車)、Changan Automobile Group(長安汽車)、Great Wall Motors(長城汽車)らが参加する。
合計で50社を超える参加企業のパワーを結集することで、バイドゥは自動運転テクノロジーをより迅速に発展させ、実用化に向けての動きを進める。この動きの背後にはバイドゥが今年1月に採用し、現在同社のCOOを務める元マイクロソフト幹部の陸奇(Qi Lu)の存在がある。
陸奇は声明で「アポロは自動運転分野におけるアンドロイド的な役割を果たす。ただし、アンドロイドよりもオープンでパワフルなものになる」と述べた。
成功すれば米国や日本企業の参加も
バイドゥによると、アポロに参加する企業らはこれまでアポロが蓄積したデータやソースコードにアクセスが可能で、個別のプロジェクトに適用できるという。また、アポロには人工知能のトレーニングに必須の各種のシミュレーションツールも用意されており、自動運転の試作車をより安全な形でテストすることが可能だ。
「アポロのリソースはこのエコシステムの参加者全員でシェアする」と陸は述べた。「パートナー企業の知見をみんなで共有することにより、一社では生み出せない偉大な成果を収められる」
バイドゥのこの試みがうまく行けば、アルファベット傘下のWaymoやGMのCruise、さらにはBMWやウーバー、テスラらが進めてきた自動運転テクノロジーの進化に、大きな発展をもたらすことになりそうだ。
現状では自動運転分野では各企業が個別にAIやソフトウェア開発を行っている。しかし、バイドゥのこのアプローチが迅速に結果を生み出せるとしたら、米国や日本、欧州の自動車メーカーらが一気にこの連合に参加することもあり得るだろう。