貧困から世界的富豪にのし上がった9人の経営者たち

左から、李嘉誠、オプラ・ウィンフリー、シャヒド・カーン(Photo by Gettyimages)

努力、才能、幸運──。富豪への道のりには、さまざまな要素があるのは事実だ。世界長者番付に名を連ねるビリオネアの中には、“貧困からのし上がった”経営者も多くいる。

例えばオラクルのラリー・エリソンには、生後間もなく養子に出された過去があり、スターバックス前CEOのハワード・シュルツは父の失業で苦しい思いをした経験がある。ここではそんな9人の過去と今を紹介する。

1. シャヒド・カーン/NFLアメフトチームオーナー(66)
資産 87億ドル
2017年世界長者番付 158位


パキスタンの中流階級出身のシャヒド・カーンが渡米したのは16歳のときだった。名門イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校で機械工学を専攻することは決まっていたものの、泊まる場所もなく、所持金はたったの500ドル。父が経営する小さな建設会社から掻き集めたなけなしの金だった。カーンは地元のYMCAに泊まり、食堂で皿洗いのアルバイトをして生活費を捻出することにした。

20歳のときに同大学を卒業すると、地元の自動車改造部品メーカー「フレックスエヌゲート」に技術管理者として就職。ところが、改造部品の分野は格安の市場だったこともあり、誰も重量や強度を改善していなかった。

競合も少なく、イノベーションを起こせると考えて、1978年に「バンパー・ワークス」を立ち上げる。GMやいすゞ、トヨタといった大手と組みながら事業を拡大。2012年には、NFLのアメフトチーム「ジャクソンビル・ジャガーズ」を買収できるほどの富豪になった─。

2. ハワード・シュルツ/「スターバックス」前CEO(63)
資産 32億ドル
2017年世界長者番付 660位

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過去:ブルックリンの公営住宅で育ち、父が怪我で失業したのちは貧困を経験。
現在:シアトルのコーヒー店「スターバックス」を世界的チェーンに育て上げた。

3. オプラ・ウィンフリー/カリスマTV番組司会者(63)

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資産 29億ドル
2017年世界長者番付 660位

過去:母が10代のときに生まれ、ミシシッピー州の牧場で祖母に育てられた。
現在:米屈指のTV番組司会者になり、自分のケーブルネットワークを持つまでに。

4. デビッド・マードック/食品会社「ドール」元会長(94)


資産 26億ドル
2017年世界長者番付 745位

過去:第2次大戦から復員後、ホームレス生活を送る。1800ドルを借りて起業。
現在:レストランを開き、やがては食品会社大手「ドール」の会長などを歴任。

5. ロマン・アブラモビッチ/ロシアのオリガルヒ(50)


資産 87億ドル
2017年世界長者番付 139位

過去:4歳のときに両親を失い、親類に育てられる。大学中退後、ソ連軍に入隊。
現在:エネルギー企業を経営する傍ら、英サッカークラブ「チェルシー」を所有。

6. ラリー・エリソン/「オラクル」共同創業者(72)


資産 555億ドル
2017年世界長者番付 7位

過去
:生後9カ月で肺炎を患ったことから養子に出される。母とは48歳で再会。
現在:ソフトウェア大手「オラクル」のCEOを経て、現在は会長を務める。

7. 李嘉誠/アジアNo.1の大富豪(88)


資産 328億ドル
2017年世界長者番付 19位

過去
:12歳で学校をやめ、家計を支えるために腕時計の工場で勤めることにした。
現在:香港最大の企業集団「長江実業グループ」を創業し、アジアNo.1の富豪に。

8. ヤン・コウム/SNS「ワッツアップ」共同創業者(41)

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資産 95億ドル
2017年世界長者番付 140位

過去:16歳で母とウクライナからアメリカに移住。八百屋の床掃除をして稼ぐ。
現在:SNS「ワッツアップ」を開発し、2014年に「フェイスブック」に売却する。

9. ジョン・ポール・デジョリア/頭髪ケア用品会社の創業者(73)

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資産 31億ドル
2017年世界長者番付 630位

過去:シャンプーの訪問販売をし、自分のクルマの中で寝る生活を送った。
現在:頭髪用品製造会社「ジョン・ポール・ミッチェル・システムズ」を創業。

文=フォーブス ジャパン編集部

この記事は 「Forbes JAPAN No.36 2017年7月号(2017/05/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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