春夏の粋な羽織りもの 「スエードジャケット」の魅力

photograph by Masahiro Okamura, styling by Hiroshi Morioka


小暮:こんなデザインならば、いわゆる「ビジカジ」にも使えますね。

森岡:オフデューティーでもオンデューティーでも使えますね。フォーブス ジャパンの読者にとってはカジュアルでもシックに見えること、配慮があるということはスタイルの肝になります。ですのでまさにカジュアルで大活躍するレザージャケットと断言できます。色もネイビーで着こなしやすいですね。

小暮:ネイビーはデザイナーのジョルジオ・アルマーニ自身が大好きな色でもあります。彼はいつもネイビーを着ていますからね。彼はモードの帝王といわれ、モードの先端を行くデザインを生み出しますが、意外にスタンダードな服もつくっていますね。だから海外のエグゼクティブたちはスーツでもカジュアルでもジョルジオ アルマーニを選ぶケースが多い。

森岡:モードなアイテムやスタイリングを提案しながらも、普通に着られる服がとても多いんです。世界のエグゼクティブたちはそれをよく知っています。

小暮:彼ならばこのジャケットに同色のTシャツとサマーウールなどのパンツを合わせそうですね。シックだけれど、モードな匂いもする。大人なカジュアル、真似したくなります。

森岡:モードを味付けにしたリアルなスタイリングですね。ネイビーは紳士がこよなく愛する色ですが、ネイビー好きなジョルジオ・アルマーニだから、同じネイビーでも、絶対つまらないアイテム、スタイリングにはならない。それもこのブランドの強みだと思います。

小暮:このネイビーのスエードジャケットは、森岡さんの説明のように、一見シンプルなデザインですが、実はとても凝っている。色も深いネイビーで、触ってすぐにわかるほど上質な素材です。このアイテム一点加えれば、着こなしにラグジュアリーさを漂わせることができる。そんなパワーとセンスを持ったレザージャケットといえそうですね。

森岡:女性がこのジャケットを触ったらすぐにその価値を見抜くはず。まさに洒脱さが薫り立つレザージャケットなのです。





森岡 弘(左)
◎『メンズクラブ』にてファッションエディターの修業を積んだ後、1996年に独立。株式会社グローブを設立し、広告、雑誌、タレント、文化人、政治家、実業家などのスタイリングを行う。ファッションを中心に活躍の場を広げ現在に至る。

小暮昌弘(右)◎1957年生まれ。埼玉県出身。法政大学卒業。1982年、株式会社婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。83年から『メンズクラブ』編集部へ。2006年から07年まで『メンズクラブ』編集長。09年よりフリーランスの編集者に。

文 = 小暮昌弘 スタイリング=森岡 弘 編集=高城昭夫 写真=Masahiro Okamura

この記事は 「Forbes JAPAN No.36 2017年7月号(2017/05/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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