日本の「ビーントゥバー」先駆者が経営で大事にする2つのこと

山下貴嗣 ベース代表取締役(ミニマル代表)


個人的に大切にしていることは、余白の時間をつくること。ベンチャー企業ですから、常に仕事に追われているし、それがいまは楽しくて仕方がない(笑)。でも、あまりにオーバースペックだと頭の中にゴミが溜まって、クリエイティビティが入ってくる余地がなくなる。

グーグルの「20%ルール」ではないですが、日々の余白がクリエイティビティを担保すると思うんです。ドリップにコーヒーを落とす。美味しいものを食べる。世界観のある場所に行く。映画を観に行く。哲学のあるプロフェッショナルに話を聞く。作品に触れる……。

それに経営者の役目は“決める”こと。余白は、後悔しない正しい判断ができることにもつながるなと最近よく感じます。

<山下貴嗣のある1日>

6:00 起床
9:00 出社
9:30〜10:00 開発会議
12:00〜13:00 ランチ
13:00〜19:00 商談
19:30〜22:00 会食
23:00 帰宅
1:00 就寝

山下貴嗣が大切にするもの>


コーヒーメーカースタンド
オリジナル&オーダーメイド家具を製作するクラッチワークスで働いている友人がつくったもの。「100年後も色あせない機能美」を追い求めている彼の姿勢を尊敬しています。


人生の書『ジブリの哲学』と『BLUE GIANT』
『ジブリの哲学』は、ミニマルの経営で悩んだときに助けてくれた本。『BLUE GIANT』は、世界一のジャズミュージシャンを目指す男の子のマンガ。世界一とはいわずとも、僕らもそれくらい高い山を目指してはいるので、これを読むとモチベーションが上がります。


土屋鞄のペンケース
独立したとき、「この先の人生をともに歩んでいこう」と思って購入。革は、使い込んでいくとしっくり手になじんでよい味が出てくるところが好き。自分も流行り廃りではなく、時間の経過とともに価値が高まるブランドを築きたいです。


山下貴嗣(やました・たかつぐ)◎ 1984年、岐阜県生まれ。慶應義塾大学を卒業後、リンクアンドモチベーションにて数多くのコンサルティング業務に従事。ビーントゥバーとの出会いを機に独立、2014年にチョコレートブランド「ミニマル」を設立。

構成=堀 香織 写真=yOU(河崎夕子)

この記事は 「Forbes JAPAN No.35 2017年6月号(2017/04/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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