「いい人」の下で働いてはいけない3つの理由

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ダメな上司とはどんな人間なのかが分かるまでには、新人ですらそれほど長くはかからない。

ちょっと仕事をしただけでも、こんな上司の下では働きたくないという例はたくさん思い当たるだろう。無礼な上司、敵対的な上司、批判ばかりする上司、ぼんやりした上司、威圧的な上司、残酷な上司、自分勝手な上司など、例を挙げればきりがない。

どんな上司が嫌なのか分かっていると、その真逆の上司──親切で、理解があり、励まし支援してくれる上司の下で働くことが一層嬉しくなる。

しかし、そんな素晴らしい上司ですら、部下につらく当たる暴君のような上司とはまた違う意味で、あなたに害を与える上司になりうる。

事実、自分が好意を持つ人、「いい人」と思える人の下で働くことで、自分が気づかないままでキャリア上の成長が阻まれることもある。ここに例をいくつか挙げてみよう。

上司をがっかりさせたくなくなる

上司の人柄に好感を持つと、当然自分も上司にも気に入られたいと思うようになる。そのため、上司の歓心を買うような決断や態度ばかりを取るようになり、上司を失望させたり、反対の意見を述べたりすることができなくなる。航海があまりに順調だと、波風を立てることを躊躇し、それをあらゆる手段で避けようとてしまう。

苛立ちや強い意見を抑えつつ、上司に悪いイメージを持たれないよう、苦情や反論を口にしないようになってしまう。自分の一番良い部分を見せる代わりに、上司が理想の部下として望むだろう人物になろうとする。

上司の決断について深く考えなくなる

あなたは、上司が「いい人」だと思っているために、ハロー効果によってその上司が優秀なリーダーだと思い込んでいることはないだろうか?

もし上司の「後光」に目がくらんでしまっている場合、上司が下した決断に何か疑問を持ったとしても、自分の中で確立されたイメージと相反するため、本能的にそうした疑問を封印してしまう。こうした問題は、気づきにくい形で起きる。

今年のマーケティング予算を全てプロレス有料放送のスポンサー費用に充てよう、と上司が提案してもあなたは否定的な反応はせず、自分よりも肩書が上で感じの良い人がそう言ったからという理由で何の疑問も抱くことなく、少ないデザイン予算を使って会社のウェブサイトを作り直すのが最善の策だと受け入れてしまうかもしれない。
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編集=遠藤宗生

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