ATM登場から50年 キャッシュレス時代に求められる新機能

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現金預け払い機のATMが最初に登場したのは1965年のイギリスだった。それから約50年が過ぎた今、調査会社YouGovは8000人の消費者を対象に、ATMの使用について世界規模のアンケート調査を行った。この調査は決済システムを提供するACIワールドワイド から委託を受けたものだ。

今回の調査で、現在もかつてと同様にATMを使用していると答えた英国の消費者は42%だった。ドイツでは48%、スペインでは47%、フランスでは40%が同様の回答を寄せている。このデータは現金に代わって電子決済が普及したことを示している。

一方で、英国で29%、フランスで31%、スペインで38%、イタリアで43%の消費者が、現在よりも革新的で便利なサービスや、より安全な決済認証方法がATMに追加されることを求めていた。

ACIワールドワイドのルー・ズロースキ(Lu Zurawski)は「現代の消費者はモバイルからの銀行口座へのアクセスや、非接触型のカード決済になじんでおり、ATMにも新たな変革が訪れる事を期待している。スマホを用いたATMの操作は既に実現済みだが、将来的にはカードなしのATMが出るかもしれない。従来の暗証番号に代わる認証技術の実験も始まっている」と述べた。

近い将来にATMが消滅することはないだろう。多くの人は、意識的に支出を管理できる現金の使用を好むからだ。

「最近では店舗数を減らす銀行も増えており、単なる現金の引き出し以外のサービスも提供するATMの役割は、今後ますます重要になる」とズロースキは言う。世界がキャッシュレス社会へ進む中でも消費者はATMに新たなサービスを求めているのだ。

編集=上田裕資

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