今回の調査で、現在もかつてと同様にATMを使用していると答えた英国の消費者は42%だった。ドイツでは48%、スペインでは47%、フランスでは40%が同様の回答を寄せている。このデータは現金に代わって電子決済が普及したことを示している。
一方で、英国で29%、フランスで31%、スペインで38%、イタリアで43%の消費者が、現在よりも革新的で便利なサービスや、より安全な決済認証方法がATMに追加されることを求めていた。
ACIワールドワイドのルー・ズロースキ(Lu Zurawski)は「現代の消費者はモバイルからの銀行口座へのアクセスや、非接触型のカード決済になじんでおり、ATMにも新たな変革が訪れる事を期待している。スマホを用いたATMの操作は既に実現済みだが、将来的にはカードなしのATMが出るかもしれない。従来の暗証番号に代わる認証技術の実験も始まっている」と述べた。
近い将来にATMが消滅することはないだろう。多くの人は、意識的に支出を管理できる現金の使用を好むからだ。
「最近では店舗数を減らす銀行も増えており、単なる現金の引き出し以外のサービスも提供するATMの役割は、今後ますます重要になる」とズロースキは言う。世界がキャッシュレス社会へ進む中でも消費者はATMに新たなサービスを求めているのだ。