スポーツ専門ストリーミング「fuboTV」 累計調達額は60億円を突破

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アメリカでは、コードカッティング(ケーブルテレビの契約解除)が拡大傾向にあるが、スポーツのライブ中継はケーブルテレビの数少ないキラーコンテンツとして人気を博してきた。しかし、最近ではそれすらHuluやSling TVなどのテレビストリーミングサービスで視聴できるようになっている。

こうした中、スポーツ専門のストリーミングサービス「fuboTV」は、シリーズCラウンドでNorthzoneや21世紀フォックス、スカイ、Scripps Networks Interactiveなどから総額5500万ドル(約61億円)を調達したことを明らかにした。

「私自身、1年前まではケーブルテレビに加入しないとスポーツ中継を視聴できないと思っていたが、状況は急速に変化している」と調査会社eMarketerのアナリストであるPaul Vernaは話す。FuboTVは、熱狂的なサッカーファン向けのストリーミングサービスとして2015年に設立された。同社はUnivisionや beIn Sports、GolTVなどのテレビネットワークと契約を締結し、現在では最も多くのサッカー試合を配信するサービスの一つとなった。

「サッカーファンは世界に35億人もおり、ストリーミングサービスに参入する上でとても魅力的なマーケットだ。我々は、サッカーに絞ることで契約者の数を一気に増やし、その他のコンテンツでも大型契約を締結することができた」とfuboTVの共同創業者兼CEOのデビッド・ギャンドラー(David Gandler)は話す。同社は、2016年までに2000万ドルを調達することに成功している。

ギャンドラーによると、今後もサッカーが主力コンテンツであり続けるというが、今年はNBCやフォックスと契約を締結し、サッカー以外のスポーツ中継のほか、BravoやFXなどのニュースやエンターテイメント番組の配信を開始した。また、6月21日には、月額34.99ドルのプランにCBS(CWテレビジョンネットワークやCBSN、Popを含む)が加わったことを発表した。

fuboTVの提供チャンネル数は60チャンネルを超える。このうち、スポーツ関連は34チャンネルで、MLBやNFL、NBA、サッカー、クリケット、ラグビー、サイクリング、大学スポーツなどのスポーツ専門チャンネルは18チャンネルとなっている。
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編集=上田裕資

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