米国ではSNES Classic Editionと呼ばれるこのマシンの発売に際し、多くのゲームファンを心配させているのが、果たして十分な数が市場に出回るのかという疑問だ。昨年、NES Classic Edition(日本では「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」)が発売された際には多くのファンが入手できないまま放置された。
任天堂は今回のミニスーファミの発売に際し、良いニュースと悪いニュースの両方を出している。米国では9月29日に79.99ドルで発売されるミニスーファミは任天堂によると「前回のモデルよりも大幅に供給量を増やす」というから、これは良いニュースに違いない。
悪いニュースというのは任天堂が同時に「2017年以降の生産継続に関して保証はできない」と宣言したことだ。これは、つまりミニスーファミを買いたい人は発売から3ヶ月以内に購入しないと、その後は一切入手できなくなる可能性が高いということだ。
これは奇妙な話にも聞こえるが任天堂は前回のNES Classic Editionを発売後、数ヶ月で生産中止にしており、その理由を会社側の「リソース不足」だとしていた。今回、ニュースサイトKotakuの取材に任天堂は「スイッチや3DSの製造にリソースを集中したい」と述べており、今回のミニスーファミはゲームファン向けの特別プレゼント的な位置づけであることを言明した。以下が任天堂のコメントの一部だ。
「コレクター向け」の製品という位置づけ
「当社は明確な生産台数は公開しないが、SNES Classic Editionの発売にあたり、前回のNES Classic Editionと比較すると大幅に生産台数を増加させる。SNES Classic Editionは9月29日から2017年の最終日までの出荷を予定している。現時点では2018年以降の出荷に関してはコメントが出来ない」
上記のコメントに続けて、任天堂はスイッチや3DS関連の製品に全力を注ぎたいという意向や、SNES Classic Editionに関しては「任天堂の過去のコンテンツに関心を持つ、ファン向けの記念モデルである」との認識を示した。
今年4月のTimeの取材においても、任天堂アメリカの社長Reggie Fils-AiméはNES Classic Editionの生産に関して、十分なリソースを割けなかったことを明かしていた。
古くからの任天堂ファンとしては、これは残念なニュースかもしれないが、NES Classic Editionや今回のミニスーファミのような製品は元々、コレクター向けの商品として発売されたものだった。ビジネス的観点から考えても、任天堂はスイッチに全力を注ぎ、ソフトウェアや関連アクセサリーの販売に注力したほうが、よほど大きな利益が得られることは容易に想像がつく。ゲームファンとしては任天堂のこの姿勢を受け入れるしかなさそうだ。
最後にゲームファンに喜ばしいニュースをお伝えしておきたい。今回のミニスーファミのコントローラーケーブルは前回のNES Classic Editionのものよりも、約60センチも長いという。ケーブルは2本が同梱されているため、箱から出してすぐに友達とレーシングゲーム等を遊べることになる。