ライフスタイル

2017.06.25 12:00

人生初、白バイに先導された「BMW Xシリーズ」試乗会


今回試乗したシリーズの中で、最も気に入ったのはX5だ。ファミリーにぴったりのサイズで、ルックスもよく、足許も頭上も余裕のスペースを持つ。高級なトリムも上質で、ラゲージスペースもたっぷり。306馬力3L、6気筒ターボエンジンを搭載しているから充分なパンチがあり、走行中に隙間を見つけて追い越しをしたいときには、素早いシフトがそれを可能にしてくれる。これは実際、白バイの先導で走っているときに何度も経験したことだった。

Xシリーズが単なる“サッカー・ママたち向けの高級SUV”ではないことを証明するために、BMWインドネシアが僕らを誘ったのは、活火山マウント・ブロモの裾野にある「砂の海」と呼ばれる砂漠だった。地上ではないような幻想的なこの砂地は、BMW社がその維持に貢献している。

柔らかい砂の上で一段と存在感を放ったのは、マッチョなルックスのX6だ。力強い3Lエンジン6と優秀な4WDシステムの性能を思う存分確かめた。後部席のヘッドルームがたっぷり欲しい人には向かないだろう。でも、パワーとスタイル、存在感を求めるなら、これこそぴったりのモデルだ。

なぜこんなに挑戦的なステージで徹底した試乗会を行う必要があるのかは、その夜のディナーで明らかにされた。それは、BMWがこの国で確実に成長を続けるブランドだからだ。2015年の販売台数はおよそ3500台と、数としてはいまだにさほど大きくはないものの、毎年5%ずつ伸ばしている。そしてなにより、この地で生産(組み立て)されているからだ。

インドネシアで最も販売されているBMWは、3シリーズとX1、そして5シリーズだ。「BMWは、この国で高級ブランドとして認められています。そして、ここで組み立てられたクルマは、ドイツ生産のものと同等の品質も持っているのです」と、PR担当副社長のジョディ・オタニア氏は語る。

BMW AGのライセンス下で、現地のPT ガヤモーター社は2005年から2014年までに累計生産台数5万台のセダンとSUVの組み立てを達成した。X1、X3、3シリーズ、5シリーズ、7シリーズを現地生産している同社は、東南アジアで長期にわたって緩やかに上昇すると見込まれる高級車の需要に応えて、価格を抑えるためにBMWのラインナップの75%のアセンブルを行っている。

白バイの丁寧な誘導で赤信号を10回以上超え、タイトなUターンで渋滞する3車線をかわし、ホテルの敷地に乗り入れたとき、僕は白バイに先導されての試乗評価も可能なんだと、すっきりと納得したのだった。

文・写真=ピーター・ライオン

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事