カラニックCEO辞任はウーバー立て直しの最善策ではない

(Photo by Mike Coppola/VF17/Getty Images for VF)


今後の見通し

エリック・ホルダー元司法長官がまとめたウーバー内部調査結果の全容は明らかになっていない。調査報告書では、会社中にはびこる悪行が述べられ、先に挙げたような理想的なシナリオはどれも不可能だったかもしれない。だが私たちにはそれを知る由もない。

ウーバーの新CEOと上層部は、これから人並み外れた働きをする必要がある。新経営陣はウーバーの次の文化を率い、体現する一方で、前経営陣の達成した超速の成功と利益性を継続しなければならない。後継者とみられる人物がまだ存在しないことを考えると、これは特に大変な任務だ。

私は、カラニックの辞任を要求した投資家らが間違っていると言っているわけではない。ただこれは悲しいことだと思っているだけであり、カラニックが「カムバックキッド(再起を果たす人)」になれたらよかったのにと感じている。米国はカムバックキッドが大好きだし、こうした人々は万人に素晴らしい手本を示してくれる。

責任の新時代の幕開けに?

だが、こうした問題がガバナンス・株価・個人のキャリアに深刻な影響を与えることを過去に疑ったことのある人がいたとしても、現在は疑いようがない。ウーバーがポリティカル・コレクトネス(政治的な正しさ)の祭壇にささげられたいけにえの子羊だったわけではなく、同社が文化的責任の新時代を世界中で先導していけることを祈るとしよう。鞭は既に解き放たれたのだ。

編集=遠藤宗生

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