しかし、障害者の雇用は企業にとって大きな機会となる。米コーネル大学の報告書によると、2015年に行われた調査では、労働年齢の米国人の11%が自分は障害者だと回答した。フルタイムで雇用されていたのはそのうちたった35%で、100万人超が積極的に求職中だと回答。この数字には、就職ではなく起業を選んだ多くの才能豊かな障害者が含まれていない。
企業の中には、障害を競争上の強みに変えたものもある。ウルトラ・テスティング(ULTRA Testing)、アスピリテック(Aspiritech)、マインドスパーク(MindSpark)、オーティコン(Auticon)はいずれも、自閉症スペクトラムの従業員がIT関連のさまざまな業務に秀でていることに着目した企業だ。オーティコンは最近、リチャード・ブランソン率いる英ヴァージン・グループから投資を受けた。
こうした特別な状況でなくとも、人材確保の競争で優位に立つ上で、障害者の雇用は大きなチャンスとなる。しかし、雇用主にとっては潜在的な課題が存在することも認識しなければならない。身体障害のある人に対してバリアフリー環境を提供するような物理的な課題もあるが、雇用主や同僚が障害者と気楽に交流できない可能性があり、障壁は精神面が原因であることも多い。
私たちは先日、ギブ・ビューティ・ウィングス(Give Beauty Wings)とチェンジブレイザー(Changeblazer)の2社を創業したシャン・ホーンと、さまざまな障害者のためのインクルージョン施策により企業の競争力獲得を支援する、タングラム・ビジネス・リソーシング(Tangram Business Resourcing)のマネジングディレクター、キャシー・バーンハードの2人に話を聞いた。本記事では、どうすれば雇用主が障害のある従業員を支援できるかについて、2人が与えてくれたアドバイスの一部を紹介する。