だが、世界第2位の規模である米自動車市場ではここ数年、乗用車の販売台数が減少している。そして、この傾向は今年も続く見通しだ。
5月の自動車販売台数は、前年同月比でトヨタが0.5%減、ホンダは0.9%の増加となった。モデル別に見ると、トヨタはカムリとカローラがそれぞれ同11.8%、10%の減少。ホンダはアコードが5%増えたものの、シビックが9.6%減した。さらに、年初から5月末までではカムリとカローがそれぞれ11.8%、8.4%減らしており、シビックとアコードは8.3%、7.3%ずつ減少した。
こうした状況は、両社に重大な問題をもたらす。これらのモデルは長期にわたり、両社に安定的な収入をもたらしてきたからだ。一部の消費者の間ではクロスオーバーやSUVをより好む傾向が顕著になっていることから、両社も重点を置く車種を変えていく必要があるといえるだろう。
ただ、両社にはすでに人気の高いSUVがある。ホンダのCR-Vは昨年も米市場において、SUVの販売台数で首位を維持した。今年も5月末までの時点で、同社のCR-VとHR-Vの販売台数はそれぞれ、前年同期比で22.8%、26.4%の増加を記録している。また、トヨタのRAV4、ハイランダーも、同8.4%、20.8%の増加となった。
現在のところ、両社が乗用車部門での販売台数を減らしても、それは好調なSUV部門によって相殺されている。だが、いずれも全ての部門を合わせた販売台数の合計に占めるSUVの割合は小さく、全体としての売上高は伸び悩んでいる。
(販売台数が昨年も過去最多を更新し)歴史的な水準に達した米自動車市場において今後も利益を確保していくためには、両社はクロスオーバーとSUV、ピックアップトラックの各部門に新型車を投入し、複数の人気モデルを生み出していかなければならない。