美容整形手術で活躍の「ホロレンズ」 3Dイメージを医師が活用

George Rudy / shutterstock.com

美しくなりたいという個人的好みや、事故の傷跡を消し去りたいという理由で美容整形を選ぶ人が増加している。美容整形手術は毎年、数百万に及ぶ人々により良い人生を与えていると言えるだろう。

この分野においても近年、テクノロジーの発展ぶりは目覚ましい。米ニューヨーク州で美容整形手術を手がける医師のPhilip J. Millerは、マイクロソフトのホロレンズ(HoloLens)を活用し、患者の不安を和らげ、より良い手術結果をもたらそうとしている。

「ホロレンズを用いることで事前に作成した3Dイメージを、手術中に簡単に現実空間に当てはめることが可能になった。手術の途中で3Dイメージを患者の顔に重ね合わせ、どの程度の加工が必要かを見極めている」とMillerは語る。

Millerによるとホロレンズの採用で手術時間は20%短縮され、患者の満足度は25%上昇したという。3Dモーフィング技術はまだ初期段階のテクノロジーではあるが、2Dに比べると映像の描写性能は格段に向上している。

「まだ発展途上の技術ではあるがホロレンズを用いることで、手術中にリアルタイムで手術結果を予測することが可能になった。これは患者側にも大きな安心感を与えることになる」

複合現実(mixed reality)や3Dプリンティング技術は医療分野に革命をもたらそうとしている。この分野でテクノロジーは将来的にかなりのコスト的メリットを与えることになりそうだ。ヘルスケアの領域は、テクノロジーやスタートアップが真っ先に切り込む分野の一つであり、様々なサービスの登場が期待できる。

未来の美容整形の現場では人工皮膚が用いられることも予測される。3Dプリンターで作られた人工心臓といったSF的アイデアが現実になる日も近いのかもしれない。

編集=上田裕資

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