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2017.06.21 10:00

ナイキの新たな「デジタル戦略」、東京など世界12都市を重点化

(Photo by Getty Images)


重視すべき「HENRYs」層
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ナイキにとって最大の潜在顧客は、高収入で活動的な若い世代だ。それ以外の年齢層には、一足100ドル(約1万11600円)を超える価格帯のナイキのスニーカーを買う人は、そう多くはないだろう。競合各社のスニーカーの平均価格は、同社製よりも3割ほど安い。

こうした高収入の若い世代を、筆者は「高収入だが富裕層ではない人たち」を意味する「ヘンリーズ(HENRYs、high-earners-not-rich-yet)」と命名している。年収10万ドル~24万9900ドル(約1116万~2790万円)の専門職の若者が中心で、大都市に暮らす層だ。ナイキが特定した12都市には、これに該当する人口が多い。

また、大都市は消費者のトレンドが形成される場所でもある。ナイキは事業の推進において、消費者動向を見逃すことができない。トレンドが生まれるこれらの先導的な市場は、新たなスタイルやデザインをテストする場として有効活用することが可能だ。各都市での売れ行きなどから、どの商品に「持久力」があり、その他の市場にも投入すべきであるのかなどを判断することができる。
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新戦略は、ナイキの将来にとって賢明なものだといえる。(製品における)勝者と敗者を迅速に特定することが可能になると同時に、その結果を売上高と利益の増加のためにより効果的に活用することができる。特に予測が困難なファッション分野において、世界的ブランドが今後、この戦略を採用する可能性がある。

編集=木内涼子

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