ザッカーバーグ「家を買えない学校教師」らに500万ドルを寄付

Photo by Paul Marotta/Getty Images

サンフランシスコのベイエリアでは近年、住宅価格の高騰が続いている。

テクノロジー業界で働く人々は高収入を得ているが、地元の一般の人々、特に学校の教師の収入で家を買うことは不可能だ。サンマテオ郡での住宅価格の中央値は110万ドル(約1.2億円)にも及び、昨年5.3%上昇した。

先日は地元の新聞にフルタイムで働く数学教師が賃貸物件から追い出され、ホームレスになってしまった記事が掲載された。

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは妻のプリシラと共に設立した財団「Chan Zuckerberg Initiative(CZI)」を通じ、この問題に対処を開始した。住宅関連のスタートアップ「Landed」に500万ドルを出資し、教師たちが家を買えるようにする。

Landedは教育関係者が住宅を購入する場合、頭金を負担してくれる投資家をマッチングする。約30年が経過した後、家を売却した場合、その価格から最大20%を投資家は受け取れる仕組みだ。

CZIからの500万ドルは少なくとも60名の教育関係者のために役立てられる。地元の不動産関連企業の調査によると、現在の相場で家を購入できる地元住民は全体の15%しかおらず、この数値は5年前から33%の低下になっているという。投資から生み出されたリターンは、さらに他の教師を支援するための再投資に用いられると、財団側は述べている。

ザッカーバーグの資産額は約7兆円

CZIは今年の初旬に他の2つの団体とも連携し、人々に住宅を提供する試みを行ってきた。「どんな収入のレベルの人たちも、自分の家を持ち、そこで暮らし、働くことがコミュニティの人々に平等な機会をもたらし、人類の発展につながる。その動きを支援することが我々のミッションだ」とCZIのポリシー担当のDavid Plouffeは今年2月に述べていた。

ザッカーバーグと妻のプリシラがCZIを立ち上げたのは2015年の12月のことだった。夫妻は、450億ドルにも及ぶフェイスブック株の持ち株の99%を、今後の生涯にわたり慈善事業に費やしていくと宣言した。

2016年9月にCZIは、その後の10年間で30億ドルを、今世紀中にあらゆる疫病を根絶するために用いると述べた。

フォーブスはザッカーバーグの資産額を623億ドル(約6.9兆円)と見積もっている。フォーブスのリアルタイムランキングでザッカーバーグは現在、世界で6番目に富裕な人物となっている。

編集=上田裕資

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