起業する以前は、セレクトショップ大手のユナイテッドアローズに13年間勤め、ファッションディレクターとして活躍した。
現代女性のためのブランド
シクラスを立ち上げたのは、仕事と生活のバランスを取り、ファッションも自分自身で選択する、さまざまな面で独自の目を持った女性たちのために服をデザインしたいと考えたからだ。
小野瀬によると、東京で起業する女性は増加している。そして、美容、エンターテインメント、ホテル、教育、出版、ビジネスコンサルティング、ファッションなど多岐にわたる業界で成功を収めている。
こうした女性たちは、「知的で洗練されており、投資に値するものを購入する。真にモダンで機能的、快適なものを求めている──昼夜を問わず活用でき、時と場合に合わせてドレスアップもドレスダウンもできる服だ」という。そして、「彼女たちにとって、ミニマルにまで高められたデザインと同様に、非常に重要なのは品質だ」。
理想の「場所」を追求
ザ シークレットクロゼットのオープンと同時に小野瀬が立ち上げたオリジナルブランドは、洗練されたコートをはじめ着心地の良さを考えた服を提供してきた。このブランドが人気を得て、そして成長を続けてきたことが、シクラスの誕生につながった。シクラスの服は現在、都内に5店舗あるザ シークレットクロゼットのほか、一部の百貨店でも販売されている。
小野瀬にとっては、ファッション業界で積み上げてきた過去の経験が、起業やその後の事業拡大にもつながってきた。以前の仕事では、新規ブランドの立ち上げや新店舗の開設などに携わった。さらに、「企業の幹部だった父親から、意欲や決意、責任ある人であることについて、多くを学んだ」という。