アクセンチュアが大胆宣言、2025年までに社内男女比「50対50」に

アクセンチュアのエリン・シュック最高人事責任者(Photo by Slaven Vlasic/Getty Images for Advertising Week New York)

アクセンチュアが、社内の多様性向上に向けた大胆な施策に打って出た。同社は14日、2025年までに社員の男女比を50対50にすると発表。専門的サービス大手で男女比の均衡を目標に掲げたのは、同社が初とみられる。

過去5年間のアクセンチュアの変革ペースや、現在の女性率が40%を下回っていることを考えると、2025年までに男女比を均衡にするという目標は無理難題にも思える。例えば同社の昨年の女性率は前年から1ポイントしか上がっていない。

しかし、アクセンチュアのエリン・シュック最高人事責任者は、これまで見てきた集中的な努力と内部データに基づき、この目標は実現可能だと主張。「大きな自信がある。目標は達成できると、私は確信している」「多様性が自分たちをより賢く、革新的にするという揺ぎない信念が、私たちにはある」と述べている。

これまでアクセンチュアは、事業部門や地域ごとに多様性目標を定め、進捗状況の透明化を図るなどして女性の数を増やしてきた。2016年初めには、専門的サービス大手として初めて従業員の性別や人種などの比率を発表したと報じられた。

アクセンチュアは、女性やマイノリティー(少数派)の採用に対し、多額の紹介手当を支給している。また、上級職に就く女性に経営役員がメンターとして付き、昇進を支えるプログラムも用意。参加した幹部のデビー・ポリシュックは昇進を続け、経営役員となった。

今日のアクセンチュアでは、男性より女性の方が勤続期間が長く、昇進率も高い。これが、新たな目標を達成できると信じるシュックの自信の源となっている。

女性管理職については、女性の常務取締役を現在の20%から2020年までに25%にすることを掲げている。女性幹部はあまり転職をしないので採用がより難しいとシュックは言う。「女性は、仕事と私生活で自分を助けてくれる職を見つけたら、忠誠心を持つ。(中略)忠誠心の要素は本物だ」

現在、同社の経営役員は25%が女性で、公開会社の収益上位1000社の平均24%を1ポイント上回っている。だがアクセンチュアは、役員の女性比率改善の宣言には踏み込まなかった。「正直に言えば、アクセンチュアではグローバルマネジメント委員会レベルでの人員交代は定期的に起きているわけではない。(中略)入れ替わりの仕方は他の部分とは異なる。このチームは増員しない」とシュックは言う。

賃金の平等はどうか? 3年前に役員会の指示で外部組織が率いる徹底的な調査を実施したところ「いくつかの問題点が明らかになった」とシュックは言う。シュックとピエール・ナンテルムCEOは、給与を上げることで問題を即座に解決した。現在は、賃金の平等性を分析する「厳しいプロセス」を年1回行っており、不平等があれば調整している。

男女比の目標を掲げることで、アクセンチュアは専門的サービス業界での多様化推進の旗振り役になることを狙う。「われわれがこの公約を掲げることで賛同する企業が現れてほしい。そうすれば世界はもっと良くなると思う」とシュックは語った。

編集=遠藤宗生

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