食物アレルギーの米国人は意外に少ない? 270万人調査で4%未満との結果

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食物アレルギーまたは食物不耐症の米国民は、従来考えられていたよりも少ない可能性があることが分かった。

米アレルギー・喘息・免疫学会(AAAAI)が発行する「ジャーナル・オブ・アラジー・アンド・クリニカル・イムノロジー( The Journal of Allergy and Clinical Immunology )」の電子版に5月31日に掲載された論文によると、ボストン周辺地区に住む約270万人分の電子カルテに記載された情報をまとめた結果、食物アレルギーがある人は成人・子供を合わせて全体の4%未満だった。調査対象とした電子カルテは、2000~13年に作成されたものだ。

食物アレルギーまたは不耐症と診断された人は、調査対象者の3.6%に当たる9万7482人。過去の研究では成人の5%、子供の8%がこれらに該当するとされていたが、それらと比べればかなり低い数値だといえる。また、男性(2.9%)よりも女性(4.2%)に食物アレルギーの人が多いこと、人種別ではアジア人に患者が最も多いことも明らかになった。

食物アレルギーの人たちに見られる症状は、吐き気から頭痛までさまざまなものがある。じんましんが出る人が最も多く(28.5%)、次いでアナフィラキシー(15.9%)、胃腸炎(11.5%)の症状を示す人が多かった。

調査の結果明らかになった主な点は、以下のとおりだ(調査対象者約270万人中)。

- 食物アレルギーを持つ人の割合

・男性 2.6%
・女性 4.2%
・全体 3.6%

- 食物アレルギー患者に見られる主な症状

・じんましん・膨疹(ぼうしん) ─ 28.5%
・アナフィラキシー ─ 15.9%
・胃腸炎 ─ 11.5%
・かゆみ ─ 8.3%
・腫れ ─ 6.8%
・血管性浮腫 ─ 5.4%
・嘔吐 ─ 3.3%
・気管支けいれん・喘鳴(ぜんめい、ぜいぜい音) ─ 2.9%
・息切れ ─ 1.7%
・悪心(おしん、吐き気) ─ 1.3%
・頭痛 ─ 1.3%

出典: ジャーナル・オブ・アラジー・アンド・クリニカル・イムノロジー

編集 = 木内涼子

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