米国で期待の「電気バス」プロテラ 200億円を資金調達

Courtesy of Proterra

電気バスメーカーのプロテラは6月13日、5500万ドル(約61億円)のシリーズ6資金調達を実施したと発表した。元テスラ社員のライアン・ポップルが率いる同社は、今年1月にも1億4000万ドル(約154億円)のシリーズ5調達を果たしたばかりだった。今年に入ってからの資金調達額は合計で200億円以上に達する。

今回のラウンドはアル・ゴアのGeneration Investment Managementが主導し、BMW傘下のI Venturesも参加した。

カリフォルニア州本拠のプロテラはロサンゼルス郊外に2つ目の工場をオープンしたばかりで、米国西部の地域交通向けに電動バスを製造していく予定だ。CEOのポップルは「連邦政府レベルでドナルド・トランプが何をやろうと、当社の製品に対する顧客らの関心が低下することはない」とフォーブスの取材に応えた。

「需要は高まり続けており、納品予定を繰り上げて生産キャパシティの増大に務めている。特に来年の後半の増産は必達課題としている」

プロテラは排気ガスを全く出さないCatalystと名付けた車両を、一台約75万ドルで各地の交通当局に販売している。ポップルが強調するのはこれらの車両が燃料費やメンテナンス費用の点から考えて、従来よりも低コストで運用可能な点だ。

プロテラはサウスキャロライナ州のグリーンビルや、新たに設置したロザンゼルスの工場で、年内に製造台数を3倍に増やす計画だ。

アル・ゴアは声明で次のように述べた。「各都市はスマートでサステナブルな交通の在り方を求めており、大気汚染を減少させることが課題となっている。プロテラはクリーンエナジー経済を加速させる上で、最も期待できる企業だ」

ポップルによると今回の調達資金はプロテラのシリコンバレー本社でのR&D業務の拡大や、カリフォルニア州バーリンゲームにあるバッテリー工場にも注がれるという。

ドナルド・トランプのパリ協定離脱宣言を受けて、米国の各州や市、企業や大学らは「We Are Still In」というイニシアチブを結成し、気候変動に関する国際条約を守ろうという動きに出ている。プロテラはこれまで400台以上のバスをシアトルやダラス、ナッシュビル、サンノゼ、フィラデルフィア等の都市から受注したが、それらの都市全てがこの動きに加わった。

「数百に及ぶ都市が連邦政府の動きにノーと言っています。二酸化炭素の排出を減らすことを人々は求めているのです」とポップルは述べた。

編集=上田裕資

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