偏見と闘うアジアの女性創業者ができること

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どんな創業者にとっても、会社の立ち上げはとてもスリルのある出来事だ。自分のアイデアを実現し、自分が情熱をかけた商品がユーザーに使われている場面を見ると、非常に大きな満足感が得られる。

もちろん、創業者としてその段階に至るまでには多くの課題がある。女性の創業者であればなおさら、男性創業者が経験どころか気付きもしなかった女性特有の課題や微妙な違いの数々に直面する。

スタートアップの世界では、女性の役割を定義し、有能で価値ある従業員としての女性の存在を制限するような、性別に基づく見方が実際に存在する。女性のリーダーには他の優先事項があり、事業立ち上げに集中できないかもしれない、といった昔ながらの差別的な視点で判断されることも多い。

それでは、この認識をどのように変えるベきか? 私は、仲間の女性創業者たちにこの質問を投げ掛け、性別にまつわる偏見と闘った経験から得た学びについて聞いた。

スキルや知識を身に付ける

私が観察して気付いたのは、女性がスタートアップ創業に至る動機は男性と異なる場合が多いことだ。女性の動機は、個人的な情熱や苦痛と密接に結び付いていることが多い。例えば、顧客のダブルブッキングを防ぐためにエステの予約アプリを立ち上げる、などだ。

しかし、日常的な活動から会社立ち上げのアイデアを得るという考え方は、その事業が「本物の」ビジネスではなく、趣味や娯楽であるかのような印象を与えてしまいかねない。手術着(スクラブ)の製造を通して貧困女性を支援するカンボジアとオーストラリアの社会事業、スクラブス・フォー・チェンジ(Scrubs for Change)の創業者で取締役のバラリー・リチャーズは、こうしたイメージにぶつかることが多いと話す。

「スクラブスは本物の事業で、大きな影響を与えている。単なる副業のプロジェクトではない」。この「趣味」のイメージを拭い去るため、リチャーズは現場レベルの詳細をよく理解し、事業経営に必要なスキルと知識を身につけたと述べた。彼女は、病院用手術着の製造から供給に至る全行程を学び、ビジネスマネジメントの機能分野で訓練を受けて最新の知識を身に付け、いかなるオペレーション・人事・財務系の課題にも対応できるようにした。
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編集=遠藤宗生

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