ナルシストとサイコパスを雇わないための採用方法

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私は、トップ管理職採用の大失敗でもたらされた破滅的な結果と、こうしたダメージを元に戻すのにどれほど長い時間がかかるかを個人的に近くで目撃してきた。(修復には大抵、数か月ではなく数年かかる。それも修復が可能であれば……の話だ)。その経験から、リスクを緩和するための戦略についていくつか提案をしたい。

人事部の幹部や大きな部署の採用責任者など、あなたが上級レベルの採用に多く関わっている職に就いているのであれば、ナルシストやサイコパス(精神病質者)の主な性格的特徴を知っておくとよい。どちらのタイプも非常に魅力的に見え、面接での印象も良い。対人関係を操るのにも長けているが、権力のある地位に就くと組織に破滅的な影響をもたらしてしまう。

ポール・バビアクとロバート・ヘア著の『社内の「知的確信犯」を探し出せ』はサイコパス的な性質とマネジメント、そして指導職に驚くほどサイコパスが多いことについて包括的に考察した素晴らしい本だ。また、ブリティッシュコロンビア大学の2014年の研究では、ナルシストがより「普通」の候補に比べて採用面接で良い結果を残す傾向にある理由について調査している。この2つは、採用担当者にとって必読資料であろう。

上級レベルの採用は組織的な不透明感も大きく、難しい仕事だ。記事冒頭で言及した失敗例に話を戻すと、適切な知識を持っていれば採用による最悪の事態は避けることができる。そして候補者の実績は、笑顔よりもはるかに高い価値がある。

誤解のないように言うが、人的魅力はビジネス上の素晴らしい資質となり得る。これに反論するのは全く意地の悪い人間だけだろう。しかし、具体的で検証可能な実績がないのに、魅力だけがあまりに際立つ場合は、十分に気を付けてほしい。

編集=遠藤宗生

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