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2017.06.15 10:00

カナダの大麻関連企業、19億円で米製薬会社を買収

Africa Studio / shutterstock

大麻関連事業を専門とするカナダのアイアンザス・キャピタル・ホールディングス(iAnthus Capital Holdings)は6月12日、ニューヨークを拠点とする製薬会社バリー・アグリスーティカルズ(Valley Agriceuticals、Valley Ag)を1730万ドル(約19億円)で買収すると発表した。

アイアンザス側によると、米国子会社アイアンザス・キャピタル・マネジメントを通じて行う今回の買収は、同社にとって過去最大の規模となる。同社はすでに大麻関連事業を行う米国企業に出資しており、バリーAgの買収により、同国内の5州で関連事業に携わることになる。

バリーAgは、ニューヨーク州が2015年12月から運用を開始した医療用大麻プログラムの下、今夏にも州内での医療用大麻の栽培・販売許可を正式に取得する予定だ。認可を取得すれば、州内に調剤薬局4か所を開設する計画。同州はこのプログラムに基づき10社までに州内での事業許可を与える方針で、バリーAgはその6社目となる。

アイアンザス・キャピタル・マネジメントのハドリー・フォード最高経営責任者(CEO)によれば、買収にあたって同社が重視したのは、ニューヨーク州内で医療用大麻の処方を受けるための登録患者数が大幅に増加しており、長期的にも一層の増加が見込める点だ。カナダでは新規の登録患者数は1日当たり40人のペースで増えているが、ニューヨーク州内では同90人のペースで増加している。

アイアンザスはまた、バリーAgが医療用大麻をイスラエル保健省に供給している同国企業と提携していることも重視した。アイアンザスは買収により、バリーAgが所有する栽培用の土地0.5平方キロメートルと、面積約604平方メートルの栽培・加工施設も取得する。買収手続きの完了は、今年第3四半期中となる見通しだ。

アンザスは2014年に創業。2016年9月にカナダ証券取引所に上場した。上場後の調達額は、5350万カナダドル(約44億5200万円)に上っている。

市場拡大に期待

アイアンザスによると、ニューヨーク州の医療用大麻の関連市場は2020年に9億7500万ドル規模にまで拡大する可能性がある。カナダの市場規模は13億ドル程度で、現時点ではニューヨーク州よりわずかながら大きい。ただ、認可を取得した事業者1社当たりの売上高は、ニューヨーク州が大きく上回ることになると見られている。認可を受ける企業数が10社に限定されていることから、各社の売上高は9700万ドル程度が見込めるということになる。

ニューヨーク州が医療用大麻プログラムを開始した当初、登録患者数は2万1009人だった。その後、慢性痛への処方が許可されたことを受け、登録者数は大幅に増加。今後は心的外傷後ストレス障害(PTSD)や生理痛への処方が認められる可能性があり、事業者らの間では期待が高まっている。

編集=木内涼子

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