ネットフリックス、米国でケーブルTV利用人口を突破 史上初

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ネットフリックスが米国で初めて、視聴者数でケーブルTVを上回った。Leichtman Researchのデータによると米国のケーブルTVの会員数は今年3月末時点で4861万人だったが、ネットフリックスの会員数は5085万人に到達した。この数値には小規模なケーブルTVネットワークの会員が含まれていないが、その会員数は全ケーブル顧客のうちの多くても5%だという。

この結果はさほど驚くべきことではない。ここ5年間でネットフリックスは会員数を倍増させ、新規で2700万人を獲得し、躍進を続けてきた。

ケーブル局側にとって良いニュースは、これが彼らに破滅的状況をもたらしていない点だ。ネットフリックスが巨大な成長を遂げた5年間で、ケーブルTVの視聴者数は400万人の減少となったが、統計サイトStatistaはこの結果を「ネットフリックスがケーブルから客を奪ったのではなく、独自の顧客を開拓した結果だ」と分析している。

Dish NetworkとDISH-DBSの衛星テレビサービスは合計で約3300万人の利用者を獲得している。一方、インターネット経由で配信されるTVサービスのSling TVやDirect TV Nowの伸びは顕著で、この2社は2017年Q1に合計で35万件の新規会員を獲得した。Sling TVとDirect TV Nowの会員の合計は173万人となっており、ケーブルTVの顧客が減少する一方で客を増やしている。

米国でケーブルTVや衛星テレビ、インターネットのストリーミングサービス(ネットフリックス以外)でTVを視聴する人口は9331万9187名で、有料TV視聴者の95%を占めている。

ネットフリックスが米国で視聴者1億人を達成するのはまだ当分先のことであり、上げ止まりも予測される。しかし、ネットフリックスがサービスの改善を続け、さらに多くのユーザーを魅了するようになれば、この状況にも変化が訪れるかもしれない。

編集=上田裕資

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