完全に「デザイン惚れ」した唯一無二の腕時計

photographs by Kazuya Aoki, illustration by Adam Cruft

女性のキャリアを支援する会社、LiB(リブ)のCOOを務める佐藤洋介さんは、小学生のときから腕時計に親しんでいた時計好き。そんな彼が、「この1本」として選んだ腕時計が、ゼニス「クロノマスター エル・プリメロ オープン」。このモデルに対する熱烈な思いを語る。


僕がまだ小学生のころに、祖父が海外旅行に行くたびにお土産に買ってきてくれる腕時計、“スウォッチ”が嬉しくて、そのころから時計が好きになりました。いまは、時計の売り場に行くと買いたくなってしまうので、なるべく行かないようにしています」

学生時代は国産のスポーティなモデルをベースに腕時計に親しんでいた佐藤さんが、いまや毎日のように着用することになったゼニス「エル・プリメロ」に惚れ込むベースになっているものも、その学生時代に培われたものである。

「セレクトショップの“ビームス タイム”が好きで、学生時代には行ってたんです。そこにはバング&オルフセンの音響器具やイームズのチェアなど初めて目にするものがたくさんありました。そして、普遍のプロダクトというものが本当にあるんだ、ということを知ったのです」

“本物”を目にすることで養われた審美眼を持ったうえで、衝撃を受けたのが渋谷の百貨店で見かけたゼニス「エル・プリメロ」だった。

「デザイン惚れですね。まさにいま着けているクロノマスターだったんですけど、文字盤の一部がオープンになっていて、そこから美しく動くムーブメントが見え、裏返すとさらに美しく動いていて、自分が着けてるイメージが湧かないくらい格好よかったんです」
 
以来、この「エル・プリメロ」が佐藤さんの目標となった。

「この時計が似合うような大人になりたい。胸をはって買えるようになれたらいいな、と思っていました」
 
そして約7年前、ついに念願のその時計を購入することになる。「きっかけは、これも祖父です。スウォッチを買ってきてくれた祖父ではなく、母方の祖父なんですが。その祖父が亡くなった際に、僕にもお金を残してくれていたんです。それは、ぱっと使ってしまうには大きな金額でした。祖父のことは大好きだったので、なにか意味のあるお金の使い方をしたかったんです」

“後に残るもの”を、と考えたときに浮かんだのが「エル・プリメロ」だった。そして、残してくれたお金に自己資金を加えて、念願の腕時計を手にするのである。

「自分がゼニスを身に着けるに値する人間かはわかりませんでしたが、お付き合いをはじめる理由としてはいいのかも、と思ったんです。高額な腕時計を購入するので、他の時計もいろいろ見てみましたが、やはりこれしかありませんでした。その判断は間違っていなかったと確信しています」

佐藤洋介◎大学卒業後、リクルートに新卒で入社。新卒/中途採用事業の営業チャネルの統括、事業統合プロジェクトの推進責任者などを経て、2014年にキャリア女性に特化したHR領域で事業活動を行うLiBを創業し、取締役COOに就任。
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text by Ryuji Fukutome

この記事は 「Forbes JAPAN No.35 2017年6月号(2017/04/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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