米国の医療マッチングサービス「グランド・ラウンズ」では、全米の医師の96%に相当する70万人のデータベースと、保険請求データ、医師の実績をもとに、患者の病状を診断するのにふさわしい医師を紹介し、必要な場合にはセカンドオピニオンを相談できる医師も案内している。
同サービスを考えついたのは、スタンフォード大学で放射線科医を務めるラスティ・ホフマンだ。難病の息子を抱える彼は、煩雑なアメリカの医療体制を改善したいと願っていた。
そんなとき、投資家の紹介を通じて起業家のオーウェン・トリップ(写真)と知り合い、意気投合。グランド・ラウンズを2011年に一緒に立ち上げた。
同社はすでに1億ドル(約110億円)を調達しており、顧客には小売り大手のコストコやウォルマート、通信大手コムキャストなどが名を連ねる。適切な診断による従業員の健康増進とコスト削減が期待できることもあり、米大手企業が注目しているという。
オーウェン・トリップ◎グランド・ラウンズ共同創業者兼CEO。eBayやアクセンチュアを経て、インターネット上の評判を管理するオンライン・レピュテーション・マネジメント企業「レピュテーション・ドットコム」を創業。世界経済フォーラム(WEF)から世界を代表する「グローバル・テクノロジー・パイオニア」の1人に挙げられている。