自尊心でキャリアを台無しにしていませんか?

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私は最近、聡明で優秀な女性2人とコーヒーを飲み、それぞれの仕事について話した他、エゴ(自尊心)について、そしてそれがキャリア関連の決断に与える影響(決断基準を自尊心だけに頼ってしてしまったこと、もしくはし損ねたこと)について、とても興味深い会話を交わした。

会話の内容は多くの示唆に満ちていた。思い返せば返すほど、自尊心によって自分のキャリアや自己認識がいかに短絡的になってしまうかに気付くことができた。自尊心に身を任せることによって起こる3つの問題を次に紹介したい。

利用されやすい

明らかに自尊心に引きずられて生きているような人は、周りに利用されやすい。有名な歌手と共演した時の武勇伝を42回も繰り返す上司に感心したふりをしたことがある人なら、きっと分かるだろう。

人は、あなたがお世辞に弱く、性急な決断を下しやすい人物かどうかを、すぐさま感知できる。そして、抜け目ない人間はそれを基にあなたを操ろうとする。あなたの自尊心が満足していないことを知り、それを満たしたり飢えさせたりすることで、あなたを利用しようとする。

進むべき時に止まり、止まるべき時に進んでしまう

船が沈みつつあるのに、あなたは自分が船を立て直し、会社全体をまだ見ぬ成功という岸辺に導くことができる人間だという空想にふけっている。あるいは、現状が良好にもかかわらず、今より良い肩書やほんの少し高い賃金を目の前にちらつかされると、出世のチャンスに夢中になり、ワーク・ライフ・バランスや素晴らしい同僚のことが頭からすっかり飛んで行ってしまう。

あなたは自分が試練を乗りきれることを証明したいばかりに、先の無い職場に残ろうとする。もしくは、いつか富や名声を得る日を夢見て、仕事を次から次へと変えてしまう。自尊心はどうしようもないキャリア指導者なのに、あなたはその意見に従ってしまう。

優先事項が見えなくなる

自尊心に人生の運転を任せていると、長期的に一番大切な目標を果たすより、自尊心を満たすことを目的に物事を決めてしまう。自尊心が望むのは、今すぐにいい気分になること。大きな目標を達成するために必要な、つらく報われない努力などは気にかけない。

自尊心には他人の自尊心を打ち負かしたいと思う性質もある。そのため、自尊心に身を任せていると、仲間や同僚たちとのたわいないいざこざや競争が起きてしまい、自分の願望に集中できなくなったり、完全に目的を見失ってしまったりする。

自尊心に支配されると、失敗や失態、あるいは自分が虚勢を張っていたことに気付くことを恐れ、成長に必要なリスクを避けてしまう。自分はそうした打撃には耐えられないと思い込み、チャンスにかけるという考えにならない。代わりに、短期的な満足を求めたり、すぐ手の届く範囲にある安全な機会にばかり集中したりしてしまう。

編集=遠藤宗生

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