IBMが開発の「超高密度半導体」5ナノチップが切り開く未来

(Photo by David Ramos/Getty Images)


現行の半導体は10nm世代で、サムスンのギャラクシーS8に搭載されているクアルコムの最新モバイルプロセッサ「Snapdragon 835」は、サムスンが開発した 10nmプロセス技術を採用している。

半導体業界はインテルの共同創業者であるゴードン・ムーアが提唱した「半導体の集積密度が2年で2倍になる」という「ムーアの法則」が成り立たなくなっているという課題に直面している。

「ムーアの法則が成り立つためには、常に大きなブレークスルーが求められる。新しいトランジスタによってさらなるスケーリングを実現し、ムーアが予測した経済的価値を実現することが可能になった」とKhareは言う。

一部の回路設計者は、集積密度をこれ以上高めるのではなく、新たなアーキテクチャの開発に取り組んで大きな成果を挙げている。その良い例が、今やディープラーニングのトレーニングに欠かせないGPU(Graphics Processing Unit)だ。また、グーグルはTPU(Tensor Processing Unit)という独自のディープラーニング専用プロセッサを開発した。

「ムーアの法則が成り立たなくなっている今、半導体業界はGPUやDSP、FPGA、ASICなどを併用するヘテロジニアス・コンピューティングによって新たなニーズに対応しようとしている」とアナリストのPatrick Moorheadは言う。

「半導体業界を発展させる上で、チップの微細化とヘテロジニアス・コンピューティングは両方とも不可欠だ。5nmプロセスチップは、性能と効率性を飛躍的に向上するため、業界全体にとって非常に大きな成果だ」とMoorheadは述べた。

編集=上田裕資

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