ビジネス

2017.06.06

投資家よりもSNS? 子供向け教材「ヒットの秘密」

「リトル・パスポート」を率いるエイミー・ノーマン(左奥)とステラ・マー(右奥、photograph by Eric Millette)

子育て中の母親たちが立ち上げた、子供向けの通信教育が人気を集めている。投資家から出資を受けられなかった2人が目を向けた、今どきのマーケディング手段とは─。


エイミー・ノーマン(42)とステラ・マー(44)は2009年、カリフォルニア州のイベントで自社「リトル・パスポート」についてプレゼンテーションをした。「リトル・パスポート」は6〜10歳の子供を対象にした月額10.95ドルの購読制の地理教材。マーケティングや商品開発のために50万ドルほど必要だった—。

反応は薄かった。会場にいたベンチャー投資家の多くは男性だった。ある投資家は「子育て中の彼女たちには無理だ」と話したとされる。

しかし、同社は2016年には3000万ドル(約33億円)を売り上げた。今年は黒字化する見込みだ。

2人はオークションサイト「イーベイ」で同僚だったときに、子供向けの教育サービスを起業したいと思うようになった。アイデアを試すうちに、子供たちが郵便で手紙を受け取るのを喜ぶ姿を見て、地理や科学を学べる通信教育に決めたという。

ベンチャー投資家から出資が得られなかったこともあり、広告に頼らず、フェイスブックやブログなどを通じてアフィリエイト・マーケディングを始めたところ、ママさんグループの口伝てで話題になった。ただ、今後の出資調達を否定しているわけではない。なぜなら目標は、”次のディズニー”になることだから。

文=スーザン・アダムス 翻訳=フォーブスジャパン編集部

この記事は 「Forbes JAPAN No.35 2017年6月号(2017/04/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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