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テックジャーナリスト

Lキャタルトンアジア会長のラヴィ・タクラン(photograph by Mizuaki Wakahara)

高級ブランドLVMH系列の投資会社、L キャタルトン。同グループによる日本への投資本格化が新たな価値を生み出す。

「日本は、非常にクリエイティブかつエネルギッシュなブランドの宝庫です。それらの価値は、アジア各国との橋渡しが叶うことで最大限発揮されるでしょう」

そう話すのは、Lキャタルトンアジア会長のラヴィ・タクランだ。

2016年、キャタルトン(Catterton)、モエヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)、グループ・アルノー(Groupe Arnault)の3社により設立されたLキャタルトンは、世界最大の消費者向け未公開株式投資会社として、世界5大陸17都市に拠点を構えている。

その中でLキャタルトンアジア(前身のLキャピタルアジアは09年設立)は、16億米ドル超を2つの未公開株式ファンドに分散管理。共同投資を含めると20億米ドル超の資金を運用している。

シンガポール、香港、ムンバイ、上海、シドニーを軸に、これまで中国アパレル大手のトレンディ・インターナショナル、中国化粧品ブランドのマルビ、シンガポール発中華系レストランのクリスタル・ジェイド、豪州水着ブランドのシーフォリー、UAEお菓子ブランドのバティール、韓国大手音楽マネージメント会社のYGエンターテインメントなど、ミドルクラス向けの消費者ライフスタイル企業へ投資してきた。今後は、日本企業への投資を本格化していく考えだという。

同社は投資後の価値提供として、高級ブランドLVMHやグループ・アルノーとの戦略的関係を大いに活用してきた。ストーリーテリング、ブランディング、マーケティングのノウハウを共有し、投資先を世界的な舞台へと引き上げている。

Lキャタルトンアジアはこれまで、高い成長率を持つ中国や東南アジアへ焦点を当ててきたが、同地域での投資先を通じて各国で流通網や小売販売網を構築してきたことで、日本企業への投資が功を奏す段階になったという。

「日本企業の品揃え計画やパッケージデザインは素晴らしいですが、ストーリーテリングやマーケティングは欧米企業の得意とするところです。

つまり、これらを組み合わせて世界各国の市場に挑むことが、最良の手といえます。有形資産や資金提供に目が行きがちですが、このような価値向上に大きな意味があるのです」

4月20日に開業した、銀座エリア最大規模の複合施設「GINZA SIX」。Lキャタルトン本体の不動産投資・開発部門は、森ビルや住友商事と協力しながら同プロジェクトを進めてきた。日本で強い存在感を示してきたLVMHグループ、そしてLキャタルトンアジアによる投資の本格化—、アジアと日本の橋渡し役としての期待値は高い。

ラヴィ・タクラン◎モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)南アジア・東南アジア・中東地域グループ・プレジデント。Lキャタルトンアジア(L Catterton Asia)会長兼マネージングパートナー。

文=土橋克寿

 

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