この点に関する航空各社の実績を明らかにするため、米運輸統計局(BTS)の2014~16年の夏期(6~8月)の定時到着率に関するデータを分析したところ、以下9社が「お勧め」であることが分かった(かっこ内は3か月の定時到着率の平均)。
1位: ハワイアン航空(91%)
2位: アラスカ航空(86%)
3位: デルタ航空(83%)
4位: ヴァージン・アメリカ航空(78%)
5位: ユナイテッド航空(75%)
6位: アメリカン航空(73.87%)
7位: ジェットブルー(73.79%)
8位: サウスウエスト航空(73.56%)
9位: フロンティア航空(72%)
首位のハワイアン航空が主に路線を就航するハワイ諸島は、天候が崩れることが少ない。そのため、夏季を通じて高い定時到着率を記録しているのも不思議なことではない。最下位とは20ポイント近い開きがあり、第2位アラスカ航空と比べても4ポイント高い。
2位のアラスカ航空が拠点とするアンカレジ国際空港は北部太平洋沿岸にあり、多くの航空会社が利用するハブ空港となっている。運航を混乱させる原因となる悪天候が多い地域であることを考えれば、86%は素晴らしい数字といえる。
アメリカン航空、デルタ航空、ユナイテッド航空といった機内食の提供など従来どおりのサービスを行うレガシーキャリア(フルサービス航空会社)の中では、83%を記録して3位に入ったデルタ航空が、常にほか2社をリードしている。
米国の主要エアラインの中で定時到着率が最も低かったのは、フロンティア航空だった。ただし、フロンティアの72%という定時到着率は、他のレガシーキャリアと比較してもそう悪い数字ではない。アメリカンとユナイテッドの両社は過去3年の間のいくつかの月において、60%前後を記録している。
興味深いことに、定時到着率は年を追うごとに全般的に改善されてきている一方、夏期に関しては必ずしもそうではない。主要航空会社の2014~16年の夏期3か月の定時到着率は、78.75%、79.00%、77.63%だった。夏季は各年とも、雷を伴う暴風雨の発生件数が影響していると考えられる。
上記の3か月に特にフライトスケジュールが混乱しやすいのは、アメリカン航空、デルタ航空やユナイテッド航空と提携して近距離を運航するリージョナルキャリア(地域航空会社)だといえる。リージョナルキャリアは、悪天候やその他の原因によるキャンセルが最も発生しやすい。例えば2014年8月のデータを見ると、提携先のユナイテッド航空の定時到着率が76.78%%だったのに対し、エクスプレスジェット航空は74.62%だった。
リージョナルキャリア以外を選べるのだとすれば、夏の旅行に最もお勧めできる航空会社は、ハワイアン航空かアラスカ航空ということになる。レガシーキャリアの中から選ぶというのであれば、デルタ航空だといえるだろう。