ビジネス

2017.06.02

ラルフローレン幹部らが語る「新CEOに必要なもの」

(Photo by Spencer Platt/Getty Images)


デザイナーを育てる

風通しの悪い会社組織の中で、多くの従業員が型にはまった考え方を強いられていると感じている。それが原因となり、RLを前進させるために必要な非常にクリエイティブな人材の多くが流出している。

別の関係者によれば、「新たなものを模索し、新しいデザインを市場に送り込みたい人にとって、RLはふさわしい場所ではない。非常に優れた多数の人材のが、わが社を離れていった」という。

迅速に行動する

ルーベは難題に立ち向かうことになる。ファッション・ビジネスがこの先2年後、あるいは5年、10年後にどのような進化を遂げているのかについて、明確な見通しを持つ者は誰一人いない。ルーべはその中で、先行きの見えない未来に向かう道を描くために、猛烈な勢いで進んでいかなければならないのだ。

別のある幹部は、「小売業全般が激しい変化の中にあり、既存のブランドの多くが苦しんでいる」「RLが軌道からそれてしまったというわけではないが、業界はこれまでにない変化の中にある。この環境で、変化に対応するための効果的な方法を見つけようとすることは非常に難しい。消費者が変わり、変化し続けているからだ」と指摘している。

ファッション業界の複雑さや、クリエイティブに関するリソースをいかに管理するかについての経験がないルーベが十分なスピードを維持していくことができるのか、懐疑的な人もいる。関係者の一人は、「次のシーズン向けのファッションをデザインするのに必要なスキルは、シャンプーやボディーローションの新製品を開発するチームを管理するのに必要なスキルとは全く異なる」と話す。

だが、ブランドに活気を与え、将来の成長を支えるために、RLとルーべはともに、新たな企業文化を築いていかなければならない。そして、その際に忘れてはならないのが、「協力、透明性、寛容さ、コミュニティーとの関与、人間性」だ。「現代の素晴らしいブランド」になるためには、こうした人的要因に注意を向ける必要がある。

編集=木内涼子

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