米保険大手アメリカンファミリー生命保険(アフラック)は先ごろ、米国の中小企業で働く1000人を対象に調査を実施。結果をまとめた報告書を公表した。
報告書によれば、中小企業で働く人たちは「自分が違いを生み出していることを実感しやすい」。調査に参加した人の25%近くが、今の仕事の最大の長所について、「労働の成果を見ることができる」点だと答えている。
また、「自分の意見などが重視される」「(会社にとって)重要な人たちに自分の存在を認識してもらえる」点を挙げた人たちもいた。これらは、大企業ではなかなか感じられないことかもしれない。
アフラックによれば、職場で違いを生み出すことができているという実感は、働く人の意欲において非常に重要なものだ。回答者の中で大企業から中小企業に転職した人たちの67%が、そうした実感こそが中小企業に勤務することの長所だと述べている。
以下、回答者が指摘したその他の「中小企業勤務の長所」を紹介する。
・独立性
中小企業では、自主的に行動する機会が非常に多くなる。そのため、同僚からより多くを学び、従業員として成長することができる。自分の意見を述べ、より創造力をもって考え、行動し、新たな決断を下す自由が与えられるからだ。
・協力体制
小規模なチームの方が、メンバー同士がまとまりやすい。達成すべき同一の目標を掲げる中で、より良い仕事上の関係を作り出すことができる。チームの仲間を単に同僚としてではなく、人として知る機会が多くなることから、士気が高まりやすくなる。さらに、友人関係を築くことにもつながる。
・関心を得られる
従業員50人ほどの企業に転職したばかりのあるマーケティング担当者は、上司は自分の意見を重視してくれていると実感しているという。こうした関係は、会社が成長するにつれて見られなくなる。
・経験
中小企業で働くことは、より多くの役割を果たすことを意味する。それは、自分にできることを増やせるチャンスだ。
例えば、営業担当の従業員も、会社の運営や財務管理、その他のことを経験できる可能性がある。将来は大企業で働きたいと考えている人も中小企業で何年間かさまざまな役割を経験しておくことで、転職を実現した場合に就く可能性があるポジションについてもそれがどういうものか、自分なりの考えを確立しておくことができる。
・昇進の可能性
昇進については学歴よりも、仕事の成果が重視されることが多い。大企業よりも、能力主義だということだ。
・創意に富む
中小企業は、意思決定に関して障壁となるものが少なく、より迅速に、かつ強い決断力をもって、物事を決定することができる。
前例に捉われることが少なく、革新的または新しいビジネスの手法を進んで取り入れようとする傾向がある。一方で大企業は、必要に応じて素早く行動したり、ビジネスの方向性を変えたりする能力の欠如によって、身動きが取れない場合がある。
・幹部らと接触する機会
中小企業の方が社内の階級が少なくなるため、幹部と直接話せる機会が多くなる。
良き先輩として、将来にわたって助言を与えてくれる人と知り合うことができるかもしれない。また、そうした人が出席する幹部レベルの会議などに参加し、学ぶ機会を得られる可能性もある。緊密に結びついたさまざまな人たちの間で、短期間のうちに自分自身のネットワークを広げることができるだろう。