アップルのブランド価値は前回から10%上昇、約1700億ドル(約18兆8500億円)に達した。時価総額は最近の評価で、8060億ドルに上っている。
同社のこうした「前進」は今のところ、速度を緩める気配を見せていない。主力製品のiPhoneは今年、初代の発売から10年目を迎え、秋には価格1000ドルともうわさされる新型iPhone 8の発売が見込まれている。それを機に、同社は初の時価総額「1兆ドル企業」になるとも予想されている。
アップルに次ぐ2位となったのは、昨年同様グーグルだった。ブランド価値はこの1年で28%上がり、1018億ドル。同社のブランド価値は昨年も前年比26%の上昇を記録しており、アップルとの差を縮めてきていることが分かる。
すでに「検索する」の同義語になっている「グーグル」が、鎮痛剤の「アスピリン」や魔法瓶の「サーモス」などのように「一般名称化による商標権の消滅」という憂き目にあうことはないと見られている。
グーグルによれば、基本ソフト(OS)の「アンドロイド」やウェブブラウザの「クローム」、動画共有サービスの「ユーチューブ」など7つの「製品」はそれぞれ、10億人のユーザーを擁する(ランキングでは、グーグルとユーチューブは個別のブランドとして調査対象に加えた)。
数字でみる「高価値ブランド」
トップ5にはそのほか、マイクロソフト、フェイスブック、コカ・コーラが名を連ねた。上位100ブランドの価値は合計1兆9500億ドルに上り、昨年から6%増加した。
ランキング6位に入ったアマゾンは、前年比の価値上昇率で1位だった。ブランド価値は54%上がり、541億ドルとなっている。そのほか価値の上昇が目立ったのはフェイスブック(+40%)、スターバックス(+24%)など。一方、前回から最も大きく価値を下げたのは、13位のIBM(-20%)だった。
また、今回初めてランク入りしたブランドは7つで、そのうち最も高順位につけたのはアドビ(84位)だった。
ランキングに入ったブランドのうち、最も多くを占めたのはテクノロジー関連の企業・製品。その数は18に上り、上位15のうち9を占めた。そのほかに目立った業種は、金融関連(13)、消費財(12)だった。
100のブランドを運営する企業の所在国のうち、最も多かったのは米国(56)。ドイツ(11)、フランス(7)、日本(6)が後に続いた。
調査方法
順位を決定するにあたり、フォーブスは世界各国の200以上のブランドを対象に調査を行った。ただし、米国内での一定の事業展開を条件としたため、英通信大手ボーダフォンや中国のアリババなど、多数の国で事業を行う有名ブランドの一部は対象外となっている。
ブランド価値の算出においては、まず過去3年間の売上高と利払前・税引き前利益(EBIT)を調べ、これらに各ブランドがそれぞれの業界において果たす役割の程度を業界別の割合で配分した(ぜいたく品や飲料はブランドが重視されるので高い割合、価格や利便性の方がより重視される航空会社や石油会社などの業界には低い割合とした)。さらに、これらに株価収益率の過去3年間の平均値を加味し、最終的なブランド価値を割り出した。
非公開会社の場合は、同業で同規模の公開会社の利益を参照。価値の表示は全て米ドルで行い、その他の通貨での公表されていた金額については、2017年5月15日の為替レートで再計算した。