Sensor Towerは資料の作成にあたり、米国のアプリ内の課金額のみを考慮し、広告売上は含めていない。その結果、売上100万ドルを超えるアプリを昨年初めて送り出したパブリッシャーの数は全体で105だった。内訳はアップストアからが66、グーグルプレイ上では39となっており、両者の間には1.7倍の開きがある。
また、アップストア上で売上100万ドルを達成したパブリッシャー数は2015年の34から、ほぼ倍に伸びている。しかし、プラットフォームとしての成長率で見ると、グーグルプレイで100万ドルを達成したパブリッシャー数は2015年の14から、2016には39になり2.8倍近い伸びになっている。
Sensor Towerはさらに、米国のアプリ市場の動向を過去2年間に渡り、カテゴリごとに検証した。その結果、100万ドル達成アプリの中で最大勢力となったのはゲームアプリだった。
この傾向はアップストア、グーグルプレイの双方に見られるが、グーグルプレイにおいてより顕著だった。100万ドル達成アプリにゲームが占める割合はアップストアでは47%、グーグルプレイでは75%だった。
iOSでは「出会い系」も売上が急伸
これは言い換えれば、アップストアのほうが多様なカテゴリから成功するアプリを生み出したとも言える。アップストアで昨年100万ドル超えを達成した66アプリの中で、7アプリが出会い系にカテゴライズされるアプリで、「Coffee Meets Bagel」や「Bumble」「Clover」等がここに含まれる。
また、10代の利用に特化した「chat stories」や「HOOKED」、さらに急成長中の動画シェアアプリ「Musical.ly.」も100万ドル超えを達成した。一方で、グーグルプレイ上では、SNSやエンターテインメント系のアプリは、100万ドル超えアプリ全体の、それぞれ5%のシェアしか獲得できていない(「その他」に分類されるアプリが15%だった)。
この調査結果から見えてくるのは、売上規模で世界2位の米国市場で、マネタイズの主導権をアップルが握っており、ユーザーらがより多くの金額をアップルのデバイスで消費していることだ。さらに、iOS上でパブリッシャー側が受け取る利益も年々増加傾向にある。
Sensor Towerは今年2月に発表したリポートで、2016年に米国のiPhoneユーザーは一人当たり平均40ドルをアプリ内課金に支払ったと報告した。この数値は2015年に35ドルだった。
アプリのマネタイズ面におけるアップルのグーグルに対する優位性は、しばらく続いていくことになりそうだ。